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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 1330001国語学国文学(特殊講義)

1330001国語学国文学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET10 61330 LJ36
開講年度・開講期 2020・通年
単位数 4 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月2
教員
  • 河村 瑛子(文学研究科 准教授)
授業の概要・目的  俳諧は、俳句の源流とされる短詩型文芸である。近世初期、俳諧は文学ジャンルとして確立し、以来、急速な成熟と変容を遂げた。そのような俳諧史の変革に最も意識的に与した人物に、芭蕉がいる。芭蕉は、同時代より近現代に到るまで日本文学史上の重要人物とされており、文学・文化・思想における影響力は甚大である。本講義では、最新の研究状況を踏まえ、その文学的特性や表現上の妙味について実践的に把握することを目指す。
 前期は、芭蕉が意識的に取り組んだ文学形式である「俳文」を取り上げる。俳文史について概説した上で、芭蕉作品をいくつか取り上げて精読し、その生成過程を吟味しつつ、読解方法を講義する。和漢雅俗にわたる典拠や、関連資料の運用方法を学びながら、一字一句に込められた作意を繙くことで、作品を実証的に解釈する手法を身につける。
 後期は、芭蕉の作品と分かちがたく結びつく重要資料であり、俳文作品としても親しまれた芭蕉の書簡を取り上げる。はじめに、往来物(江戸時代に教科書として用いられた手紙の文例集)を用い、書簡資料を扱う上での入門的な講義を行う。その上で、芭蕉書簡の読解に取り組む。関連する芭蕉の作品や、伝記上の問題、俳壇状況、芭蕉の思想・人間性など、俳諧史の諸問題と併せて解説し、芭蕉の文事を史的動態の中に位置づける。
 芭蕉は、文学作品・書簡を含めた「ふみ」の持つ力について、きわめて意識的な人物として特筆される。本講義の主体的な受講を通して、文学および文学研究の意味について、各自が考察を深めることを期待する。
到達目標 俳文という文学形式の特性について理解し、芭蕉俳文の生成の方法について説明できるようになる。近世前期から中期にかけての俳諧史を把握し、その動態の中で、芭蕉文学の特性を説明できるようになる。くずし字の読解能力を身につけ、俳諧作品や書簡資料を読解できるようになる。テキストにおける良質な問題点を発見し、それを実証的方法によって解決できるようになる。
授業計画と内容 1.イントロダクション
2.俳文史概説
3.『笈の小文』精読(1)概説・風雅論
4.『笈の小文』精読(2)旅立ち・道の記論
5.『笈の小文』精読(3)連句との関係
6.『笈の小文』精読(4)真蹟資料との関係
7.『笈の小文』精読(5)書簡との関係
8.『幻住庵記』精読(1)概説
9.『幻住庵記』精読(2)諸本
10.『幻住庵記』精読(3)推敲
11.『幻住庵記』精読(4)典拠
12.短編句文精読(1)紀行文との関係に着目して
13.短編句文精読(2)モチーフに着目して
14.短編句文精読(3)書簡資料との関係に着目して
15.前期のまとめ
16.芭蕉の俳諧活動と書簡資料
17.書簡読解入門(1)
18.書簡読解入門(2)
19.『虚栗』の周辺――半残宛書簡(1)
20.『虚栗』の周辺――半残宛書簡(2)
21.芭蕉の仮名書状――智月宛書簡
22.軽みの探求――去来宛書簡(1)
23.軽みの探求――去来宛書簡(2)
24.猶子桃印――荊口宛書簡(1)
25.猶子桃印――荊口宛書簡(2)
26.芭蕉の理解者――曲翠宛書簡(1)
27.芭蕉の理解者――曲翠宛書簡(2)
28.臨終――半左衛門宛書簡
29.総括
30.フィードバック

授業の進行度や受講者の理解の度合いによって、内容や順序を変更する場合がある。
成績評価の方法・観点 平常点(30%)、小テスト(20%)、年度末のレポート(50%)による。平常点は、授業への参加度やコメントカード等によって評価する。レポートは到達目標の達成度に基づき評価する。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 版本・写本および書簡資料など文書類の写真を用いるため、くずし字読解への強い意欲が求められる。配付資料の予習・復習はもちろんのこと、不断に古典籍に親しむこと。くずし字を自在に読み解く力を身につけることは、各人の研究活動の幅を広げることとなろう。
俳諧は、和漢雅俗にわたる文化現象を取りこむ文芸であるから、日頃より幅広い読書を心がけることが望ましい。また、授業で扱わない芭蕉作品や、芭蕉以外の俳人の作品についても、積極的に読解を試みてほしい。講義内容を精緻かつ俯瞰的に理解する助けとなるはずである。
教科書
  • プリントを配付する。