量子物理学1(材原宇)〈情報〉

科目ナンバリング U-ENG25 35018 LJ75
U-ENG25 35018 LJ77
U-ENG25 35018 LJ71
開講年度・開講期 2022 ・ 前期
単位数 2 単位 授業形態 講義
配当学年 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 金2
教員 宮寺 隆之 (工学研究科 教授)
授業の概要・目的 ミクロな世界を記述する量子論は自然現象の理解、産業技術への応用などにおいて大きな成功をおさめている。量子論の枠組み(記述に要する数学的形式)は古典論とは大きく異なっている。そこで、まず物理系に依らない量子論の普遍的な枠組み(閉じた系における純粋状態)について解説を行う。その枠組みのもとで、物理的には最も単純な1次元空間を運動する量子力学的1粒子の記述を紹介する。また、そこにあらわれる量子論特有の現象である不確定性関係やトンネル効果などを説明する。
なお、オンライン講義などを行う可能性があるのでPandAを必ず確認すること。
到達目標 量子論の基本的枠組みの数学的形式を理解し、基本的な計算・式変形が行えるようになる。量子論の数学的形式が、古典論とはどのように本質的に異なる描像を与えるかを理解する。具体的には、重ね合わせの原理や不確定性関係の内容について理解する。1次元空間を運動する量子力学的粒子の基本的な解析が行えるようになる。具体的には、ポテンシャルの無限遠における漸近的振る舞いと固有関数・固有値の関係について理解し、井戸型ポテンシャル、箱型ポテンシャルの固有値問題を取り扱うことができるようになる。
授業計画と内容 第1回:原子の安定性の問題やダブルスリット実験など、古典論では説明できない現象を取り上げ、行列力学(Heisenberg)と波動力学(Schroedinger)の登場した経緯を概観する。
第2回:量子論の基本的枠組み(1)古典論と対比しながら状態と物理量の概念を導入する。
第3回:量子論の基本的枠組み(2)系の記述に必要なHilbert空間について定義を紹介し、状態ベクトルの説明を行う。
第4回:量子論の基本的枠組み(3)物理量の記述を行うために線形作用素、スペクトル分解などを必要最低限な範囲で取り上げる。
第5回:量子論の基本的枠組み(4)時間発展をあらわすSchroedinger方程式とHeisenberg方程式について説明する。
第6回:一次元空間上の一粒子を記述する形式(1)古典力学の一般的枠組みであるHamilton形式を説明し、対応した量子論がどのように構成されるかを見ていく。
第7回:一次元空間上の一粒子を記述する形式(2)正準交換関係からRobertsonの不確定性関係が導かれることを示し、量子論の与える描像が古典論とは大きく異なることを確認する。
第8回:エネルギー固有値問題の一般論(1)一次元空間上にポテンシャル問題がある場合について考える。ポテンシャルの無限遠における漸近的振る舞いと、ハミルトニアンの固有値・固有ベクトルがどのような関係にあるのかを説明する。
第9回:エネルギー固有値問題の一般論(2)第8回の内容について(主に数学的な)補足を行う。
第10回:井戸型ポテンシャルなど。井戸型ポテンシャルにおける固有値問題がグラフを用いてどのように調べられるかを見ていく。
第11回:箱型ポテンシャルなど。箱型ポテンシャルにおける固有関数の振る舞いを調べる。トンネル効果についても解説を行う。
第12回:散乱理論。散乱理論について説明を行う。第11回における結果などが、どのように時間発展の問題として理解されるかを解説する。
第13回:WKB近似。厳密には解けない一次元ポテンシャルにおける固有値問題の近似解を求める手法としてWKB近似法を解説する。
第14回:講義のまとめ:これまで学修したこと全体のまとめを行う。
第15回:フィードバック

なお、オンライン講義などPandAを活用する可能性があるので、PandAを確認すること。
成績評価の方法・観点 【評価方法】
 平常点評価(100%)
 学期中にPandAを通じてレポート課題(オンラインによる提出)を課す。

【評価基準】
 到達目標について、
  A+:すべての観点においてきわめて高い水準で目標を達成している。
  A :すべての観点において高い水準で目標を達成している。
  B :すべての観点において目標を達成している。
  C :大半の観点において学修の効果が認められ、目標をある程度達成している。
  D :目標をある程度達成しているが、更なる努力が求められる。
  F :学修の効果が認められず、目標を達成したとは言い難い。
履修要件 古典力学、線形代数(必須)
授業外学習(予習・復習)等 復習では、各回の内容について自分なりに理解を行い、疑問点があればそれを明確にしておくこと。
参考書等 現代の量子力学(上), J.J. Sakurai, (吉岡書店), ISBN:9784842703640
量子力学1, A.メシア, (東京図書), ISBN:4489012438
量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために, 清水明, (サイエンス社), ISBN:4781910629
特定の教科書や参考書に沿って講義をすることはありません。何か本を参考にする場合には講義ではブラケット記号を使うので、それを用いて記述してあるもののほうが良いかもしれません。
実務経験のある教員による授業 分類:

実務経験のある教員による実務経験を活かした授業科目
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