解析学特論II

科目ナンバリング U-SCI00 44105 LJ55 開講年度・開講期 2021 ・ 後期
単位数 2 単位 授業形態 講義
配当学年 4回生以上 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 金2
教員 Svadlenka Karel (理学研究科 准教授)
授業の概要・目的 古典的な変分解析では,汎関数の凸性に頼る直接法が主なアプローチである.しかし,材料科学の弾塑性モデルなど,近年の応用において,凸性条件は満たされない.さらに,凸性の欠如は材料の物理的な性質を決定する微細構造(microstructure)の出現の原因であるため,その数学的な理解が必要となる.本講義では,凸でない汎関数の最小化問題を扱うための近代変分解析の手法の基礎について紹介する.
到達目標 凸な汎関数に対する最適化問題を解析するための直接法のアイデアを復習した上で,凸でない汎関数の変分問題における数学的な課題について理解する.その後,多変数関数を対象とした凸でない変分問題の解析手法について学ぶ.とくに,準凸性(quasiconvexity)・多凸性(polyconvexity)・緩和(relaxation)の概念を習得する.
授業計画と内容 以下の諸項目について,合計15週の授業(フィードバックも含む)を行う:
1.連続体力学におけるモデルとその数学的な記述【1週】
2.凸な汎関数と直接法【2~3週】
 ・オイラー・ラグランジュ方程式
 ・最小化関数の存在と正則性
 ・* Lavrentiev現象
3. 準凸な汎関数の変分解析【3~4週】
 ・準凸性(quasi-convexity)
 ・Null-Lagrangian
 ・下半連続性と存在定理
 ・ヤング測度と勾配ヤング測度
4. 多凸な汎関数の変分解析【2~3週】
 ・多凸性(poly-convexity)
 ・変分問題の存在定理
5. 緩和理論【3~4週】
 ・準凸envelope
 ・汎関数の緩和(relaxation)
 ・ヤング測度による緩和
6. * 発展問題への入門【1~2週】
 ・* Rate-independent系
 ・* エネルギー解
受講者の理解状況に応じて講義担当者が適切に配分を決める.講義の進め方については適宜指示し,受講者が予習できるよう十分に配慮する.
なお,* はやや進んだテーマをオプションとして挙げたものであり,受講者の理解状況や講義の進度によっては省くこともある.
履修要件 関数解析・Sobolev空間の基礎知識を前提とする.
また,「非線型解析」の講義は理解の助けとなるので履修していることが望ましい.
授業外学習(予習・復習)等 数学の学修は積み上げ形式のため,各回の授業前に前回までの内容を理解しておくことが必要である.また講義中に内容を完全に理解できることはまれであるので,復習を行うことが不可欠である.
参考書等 Direct methods in the calculus of variations, Bernard Dacorogna, (Springer), ISBN:978-0-387-35779-9, e-bookあり
Calculus of variations, Filip Rindler, (Springer), ISBN:978-3-319-77636-1, e-bookあり
Mathematical methods in continuum mechanics of solids, Martin Kruzik, Tomas Roubicek, (Springer), ISBN:978-3-030-02064-4
Rate-independent systems, Alexander Mielke, Tomas Roubicek, (Springer), ISBN:978-1-4939-2705-0, e-bookあり
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