基礎科学演習【H30以降入学者用】

科目ナンバリング U-PHA00 2C110 SJ86 開講年度・開講期 2021 ・ 前期
単位数 2 単位 授業形態 演習
配当学年 2,3回生 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 金3
教員 加藤 博章 (薬学研究科 教授)
石濱 泰 (薬学研究科 教授)
星野 大 (薬学研究科 准教授)
授業の概要・目的 本演習で受講者は「どうして生命はATPをエネルギー通貨にしているのか」を「問い」として、学生が主体的批判的に思考する過程を通して、活動としての科学を実践的に学ぶ。生命活動のエネルギーの源であるATPは、熱力学、酸化還元反応、代謝の生化学反応、リン酸化による細胞内情報伝達などいろいろな事柄と関わるため、基礎化学と生命科学との結びつきについて具体的な現象を通して原理を理解することができる。また、物理・分析化学の基礎が生命科学を研究するためにどのように活用されるのかを深く理解できる。
受講者は、互いの調査結果を議論することで、実験事実に基づいた推論の過程、科学発見のプロセスを理解する。さらに、調査結果をレポートにまとめて提出することで、論証過程を記述するスキルを習得する。教員は、これらの各過程において指導助言やブレインストーミング、討論に参加して学習を援助する。受講者はこの過程を通じて、科学研究に必要となるブレインストーミング、討論、発表、質疑応答、レポート執筆などの基礎的な姿勢・態度・技術を習得する。その結果、科学とは、無知への好奇心によって扇動される楽しい営みであることが理解され、受講者は未知への興味を煽られることで、とことん調べることの魅力に取り憑かれるであろう。
到達目標 1.素朴な疑問を科学研究のテーマに設定する過程の要点が説明できる。
2.解答未知の問題を批判的に思考することができる。
3.対話を通じて問題点を浮かび上がらせ、解決に向けた指摘ができる。
4.説得力のある発表を行い、論理的な文章を書くことができる。
5.ATPの科学について物理化学的な説明ができる。
授業計画と内容 1.オリエンテーション
2―3.具体的に調査するテーマの設定に向けたブレインストーミング
4-7.テーマに基づいた調査の実施
8-9.調査のまとめと発表資料の作成
10-11.発表会と質疑応答の実施
12-14.レポートの執筆と添削指導
15.まとめ
成績評価の方法・観点 話し合いでの質疑応答の回数と議題解決への貢献度30%、調査結果のプレゼンテーションの内容と説得力30%、レポートの論理性(論証と論拠の的確さ)40%の割合で、到達目標に挙げた5項目の総合的な達成度を評価する。
履修要件 1.履修定員を20名程度とする。
履修希望者には、シラバスを読んで履修に向けた志(志望の動機や目的)のエッセイを3月下旬に提出してもらい、それを元に4月初旬に選抜を行う。
2.講義への積極的な参加:本講義では、学生が疑問を主体的に調査して学ぶ。そのため、単に出席するだけではなく、議論と調査に向けた予習・復習、会合での発言、提出物の作成に積極的に取り組むことが要請される。
3.全学共通科目:基礎物理化学(熱力学)、基礎有機化学I、基礎有機化学II、基礎化学実験、薬学専門科目:生物化学I(物質生化学)、薬学研究SGD演習を履修していることを要件とする。
授業外学習(予習・復習)等 基礎物理化学(熱力学)と生物化学Iで用いた教科書などで、予習復習を実施すること。
文献調査を行い結果をまとめて議論するための準備が必要となります。
レポートの添削指導に対する修正への取り組みが必要となります。
参考書等 エントロピーと秩序-熱力学第二法則への招待, Peter W. Atkins、米沢富美子訳, (日経サイエンス(1992)), ISBN:4532520142, 熱力学を難しい数式を用いずに解説した名著。熱力学が科学の基本であることが納得できるであろう。
The Molecules of Life – Physical and Chemical Principles, John Kuriyan, Boyana Konforti, David Wemmer, (Garland Sciences (2013)), ISBN:0815341881, 創薬研究者志望の学部学生向けに書かれた生物物理化学の名著
電子移動の化学-電気化学入門, 渡辺 正、中林誠一郎, (朝倉書店 (1996)), ISBN:4254145934, 酸化的リン酸化や光合成の化学などを学習する生物系の学生向けに書かれた電子移動の化学の入門書
議論のレッスン, 福澤一吉, (NHK出版), ISBN:4140885521, 議論(論証)の構造や規則が理解できる優れた本
グループ学習入門, 新井和弘、坂倉杏介, (慶應義塾大学出版会), ISBN:476642039X, 協働学習、話し合い、成果発表などに関する初歩が書かれている入門書
その他:
1. HGS分子構造模型C型セット有機化学実習用(丸善出版(2017))などの分子モデルの利用を推奨します。
2. パソコンに分子を表示して構造を調べるために、ソフトウエアPyMolの利用を推奨します。
PAGE TOP