5231005 西洋哲学史(特殊講義)

科目ナンバリング U-LET02 35231 LJ34 開講年度・開講期 2021 ・ 前期
単位数 2 単位 授業形態 特殊講義
配当学年 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 月5
教員 早瀬 篤 (文学研究科 准教授)
授業の概要・目的 プラトンの著作『パイドン』100c4-6では「もし美しさそのもの以外の何か他のものが美しいならば、それが美しいのは、あの美しさを分有すること以外のいかなる理由によるのでもない」という仮説が提示されます。簡単に言うと、美しさそのものを除く或る美しいものは、美しさを分有することによって美しい、というものです。一般的には、この仮説は「イデア原因論」(Forms as Causes) と呼ばれ、この仮説を提示する箇所 (100b1-102a10) は、プラトンが初期のソクラテス哲学を離れて、「イデア論」という独自思想を提示する重要箇所だと考えられています。しかし、私見では、この仮説は(これまで夥しい議論が存在するにもかかわらず)いまだ十分に理解されておらず、そもそも「イデア原因論」という呼称自体がミスリーディングであると思われます。本講義ではあらためてこの仮説が提示される箇所の諸問題を整理して、この仮説の意味と役割を明確に把握しようと試みます。
到達目標 西洋哲学史に深刻な影響を与えたプラトンの形而上学説をその基本から考え直すことを通じて、基礎的な形而上学的研究を理解し、自分でも検討できるようになること。
授業計画と内容 基本的に以下の計画に従って講義を進めます。ただし受講者の理解の程度を考慮して、必要に応じた変更を加えながら話を進めたいと思います。

第1回 イントロダクション
第2回 問題の所在
第3回 従来の解釈の整理 (1):属性解釈
第4回 従来の解釈の整理 (2):イデア解釈
第5回 『パイドン』最終論証の解説 (1):概説
第6回 『パイドン』最終論証の解説 (2):自然学や常識による原因説明
第7回 『パイドン』最終論証の解説 (3):善による原因説明
第8回 『パイドン』最終論証の解説 (4):エイドスによる原因説明
第9回 新しい解釈の説明
第10回 定義探究型対話篇との関係 (1)
第11回 定義探究型対話篇との関係 (2)
第12回 特性と特徴づけられた状態 (1)
第13回 特性と特徴づけられた状態 (2)
第14回 西洋哲学史における形相原因説の重要性
第15回 期末レポート・フィードバック
成績評価の方法・観点 期末レポートによって評価します。期末レポートでは、講義に関連するかぎりでの、自分に関心のある問題を取りあげて、5,000字程度で論じてもらいます。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 授業内で参考書目を指示し、必要な資料を配付しますので、必要に応じて予習をして講義に臨んでください。
参考書等 藤澤令夫著作集2:イデアと世界, 藤澤令夫, (岩波書店, 2000)
藤澤令夫著作集3:世界観と哲学の基本問題, 藤澤令夫, (岩波書店, 2000)
饗宴/パイドン, 朴一功(訳), (京都大学学術出版会, 2007)
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