災害地質学

科目ナンバリング G-SCI32 56029 SJ58 開講年度・開講期 2022 ・ 後期
単位数 2 単位 授業形態 講義・演習
配当学年 修士 対象学生
使用言語 日本語 曜時限
教員 松四 雄騎 (防災研究所 准教授)
授業の概要・目的 本授業では,実習・討論を通じて斜面変動現象に関連する応用地質学の基礎と研究法を学ぶ.湿潤変動帯に位置する日本列島では,豪雨や地震に伴う崩壊や地すべり,土石流といった斜面変動によってしばしば土砂が移動・流出し,被害を及ぼす.こうした流域災害の素因は,山地の地盤を構成する地質とそれが作り出す地形条件および水文環境にある.すなわち,山地における地質と斜面変動は,原因と結果の関係にあり,流域における水文・地形過程がその関連性を決めている.この講義では,斜面変動の地質・地形・水文的背景(素因)や,降水浸透あるいは地震動といった引き金(誘因)が,なぜ・どのようにして土砂災害につながる現象をもたらすのかについて俯瞰的に学ぶ.また,野外・室内実習を通じて,具体的な研究アプローチの一端を学ぶとともに,実際に斜面を構成している地盤材料に触れ,その水理・力学的な特性を実験室で分析し,斜面変動が発生するメカニズムや条件について,自ら得たデータに基づく議論を通して,一般的理解を獲得することを目的とする.
到達目標 授業を通して,温暖湿潤帯における地質環境とそれを場の条件として生じる地球表層プロセスを概観し,地質条件に規定された地形変化プロセスの速度論や年代論に関する研究法,山地の斜面をつくる地盤材料の定性的な観察法,およびその水理学・岩盤力学・土質力学的性質の定量化法を学び,応用地質学的な視座から斜面減災を実現するための方法論について考察できる力を養う.
授業計画と内容 受講者のバックグラウンドに合わせて以下のテーマとトピックスのうちから,必要に応じて概説を展開したのち,野外あるいは室内での実習形式の授業を行う.日程は別途調整の上,決定する.

テーマとトピックス
(1) 応用地質学の基礎と研究法概論
(2) フィールドサイエンスにおける理論・法則・モデルの役割
(3) 人間社会を取り巻く自然環境の成り立ちと災害環境論
(4) 斜面地質学の基礎と山地流域における水文・地形過程
(5) 斜面の地形変化と様式別の土砂移動現象メカニズム
(6) 地形変化のモデリングと速度論・年代論
(7) 応用地質学的な防災・減災の方法論
(8) 応用地質学における実験法とデータ分析法の基礎
(9) 地盤構成材料の水理・力学特性とその意味
(10) 地理情報システムと地質・地形にまつわる空間情報解析
(11) 野外踏査法および試料採取法
(12) 土質・岩石試験法
(13) 実験・計測における精度と確度およびデータの整理と統計処理の基礎
(14) 製図法とアカデミックライティングの基礎
(15) 総括とフィードバック

授業を通じて,野外観察の方法,実験による定量データの取得方法,斜面現象のモデル化について習得するとともにフィールドノートや実験ノートの記載方法,データの整理方法,製図や記述の方法等について具体的に指導する.
フィードバックについては,必要に応じて教員オフィスあるいはEメールにて質問に答えるほか,レポートに講評を記入することも含む.
履修要件 学生教育研究災害傷害保険等の傷害保険に加入していること.
授業外学習(予習・復習)等 授業期間中にはデータ解析や討論準備を課題として出すので,ホームワークとしてこなすこと.
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