FinTech概論

科目ナンバリング P-GOV00 64E90 LJ43 開講年度・開講期 2021 ・ 前期
単位数 2 単位 授業形態 講義
配当学年 1・2回生 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 木2
教員 岩下 直行 (公共政策大学院 教授)
授業の概要・目的  近年、金融業界において、金融と情報技術を組み合わせた新しいサービスの形態や、ITベンチャー企業による金融分野への新規参入を意味する「FinTech」という言葉が注目を集めている。本講義では、FinTechの実態とその背景となる技術、金融機関経営、金融規制等を巡る議論を紹介し、金融論的な立場から現状の分析を行う。具体的には、近年のわが国における金融ITの実態、FinTechの基礎となるオープンAPI技術やブロックチェーン技術の基礎、主要なFinTech企業のビジネスモデルとその強み、FinTechが金融機関の経営戦略に与える影響、暗号資産(仮想通貨)の価格変動と利用実態、中央銀行デジタル通貨を巡る議論、FinTechの規制と振興を巡る規制面の動き等、FinTechとして理解されている幅広い領域について説明する。
到達目標 FinTechと呼ばれているものの本質を理解し、金融機関経営や金融規制の現場でその知識を有効に活用できるようになることを到達目標とする。
授業計画と内容 概ね、以下の内容を各回の授業ごとに取り上げる予定。ただし、特に講義後半に取り上げるトピックスの内容については、受講者の予備知識・関心および各国のFinTechの現場で発生しているカレントな問題状況などに応じて必要な内容および順序の変更を行う。

§1 序論:決済システム高度化とFinTech
§2 キャッシュレス化を巡る議論
§3 暗号資産の特性と取引実態
§4 暗号資産に対する規制を巡る議論
§5 ICOとステーブルコインに見る暗号資産の本質
§6 中央銀行デジタル通貨を巡る議論
§7 FinTechの基礎となる技術(1)暗号、認証とオープンAPI
§8 FinTechの基礎となる技術(2)ブロックチェーン技術の基礎
§9 FinTechの起源:相次ぐ金融イノベーション
§10 FinTechの規制と振興を巡る法律・制度面の動き
§11 日本の金融ITの実態とFinTechへの対応、経営戦略の変化
§12 FinTechへの対応を迫られる証券、保険業界
§13 金融規制における技術革新:RegTechの現状と課題
§14 金融機関のビッグデータ利用と顧客のプライバシー保護
§15 これからのFinTechの行方

14回分の授業終了後に、適宜の方法で「§15 これからのFinTechの行方」について説明し、また講師からのフィードバックを実施する。
成績評価の方法・観点 質問等による授業への積極的な参加(10点)、授業時間内に実施する理解度テスト(期中4回、40点)、筆記試験(50点)。やむを得ない理由で理解度テストに参加できなかった者にはレポート課題等の救済措置を講じる。理解度テストの実施方法や筆記試験の有無・配点については、外部環境に応じて変更する可能性がある。詳細は、開講後に連絡する。
履修要件 受講者には特別な利用要件を課さない。講義の進度・内容は第1回の講義において行うアンケートの結果に応じて調整する。ただし、受講者は、開講時に配布する「予備知識・関心事項についての事前アンケート」を必ず提出すること。
授業外学習(予習・復習)等 授業外学習については、ハンドアウトをもとに授業内容および授業で触れきれなかった発展的課題を確認すること。そのうえで、ハンドアウトで紹介されている関連文献・参考資料を必要に応じて読み込むことが望ましい。
参考書等 ブロックチェーンの未来 金融・産業・社会はどう変わるのか, 翁百合、柳川範之、岩下直行, (日本経済新聞出版社)
貨幣進化論, 岩村充, (新潮社)
中央銀行が終わる日, 岩村充, (新潮社)
FinTech入門, 辻庸介、瀧俊雄, (日経BP社)
ブロックチェーン・レボリューション, ドン・タブスコット+アレックス・タブスコット, (ダイヤモンド社)
ブロックチェーン技術の未解決問題, 松尾真一郎ほか, (日経BP社)
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