教育史概論III

科目ナンバリング 開講年度・開講期 2022 ・ 前期
単位数 単位 授業形態 講義
配当学年 2-4回生 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 水3
教員 駒込 武 (教育学研究科 教授)
授業の概要・目的 世界史のなかで教育の歴史を考える。
近代日本の形成過程で構築された「日本史」「東洋史」「西洋史」という枠組みが今日においても継続しているが、現実の歴史においては「日本植民地支配下の台湾におけるイングランド長老教会の宣教活動」という対象をとっても「日本」と「東洋」と「西洋」は相互に絡まり合っている。その絡まり合った歴史をときほぐす中で今日のわたしたちの世界史認識を問い直すとともに、政治と文化と教育とのかかわりについての認識を新たにする。
到達目標 ・「植民地支配」とは何か?「同化」とは何か?「人種主義」とは何か?「自治」とは何か?「全体主義」とは何か?そして、そうした問題群のなかで教育はどのような役割を果たしたのか? 教育と宗教(キリスト教)の関係はどのようなものであったのか。こうした一連の問題群について理解を深める。またそのことを通じて民族的・文化的な他者に対す る感受性を研ぎ澄ます。
・基本的な資料を読解する能力を身につける。
授業計画と内容 駒込武著『世界史のなかの台湾植民地支配―台南長老教中学校からの視座』(岩波書店、2015年)の内容をできるかぎり概説風にわかりやすく、かみ砕いて講義することに努める。

第1回 オリエンテーション
第2回 序章――帝国のはざまから考える
第3回 大英帝国からの使者――イングランド長老教会と中国・台湾
第4回 「軽蔑された帝国」の担い手――帝国日本の台湾領有と英国
第5回 「番仔教」を奉じる人びと――日本植民地支配下の長老教会
第6回 台南長老教中学校の変貌――英国母教会の「出店」から「本島の学校」へ     (1900― 10年代)
第7回 第一次台湾教育令における私立学校の位置――台湾人の教育熱の行方
第8回 抗日運動のなかの台南長老教中学――「台湾人の学校」という夢(1920年代)
第9回 林茂生における「公教育」構想――内部観測としての歴史叙述
第10回 上智大学・大島高等女学校排撃運動の波紋――台湾・内地・朝鮮を横断す    る震動 (1929―33年)
第11回 台南長老教中学排撃運動――自治的空間の圧殺(1934年)
第12回 淡水中学排撃運動――「台湾フアツシヨ」の台頭(1935―36年)
第13回 崇実学校・同志社排撃運動への波及――全体主義という閉域(1935年以降) 
第14回 林茂生と二・二八事件,あるいは中断された夢の続き
第15回 フィードバック
成績評価の方法・観点 授業の途中で、小レポートとして、自分なりにナルホドと思えた部分と、 疑問に感じた部分、納得のいかなかった部分を書いて提出する。これを3回おこなう。
期末レポートでは、テキストとしてとりあげた本に対して、自分なりにナルホドと思えた部分と、 疑問に感じた部分、納得のいかなかった部分を書いて提出する。
小レポートが20点×3(=60点)+期末レポートが40点
履修要件 ・「教育史概論Ⅱ」「民族と教育」を受講していることが望ましい。 だが、受講できる学年のめぐりあわせということもあるので、絶対的な要件ではない。

授業外学習(予習・復習)等 各回の授業でとりあげる章を事前にPDFで配布するので、あらかじめ目を通してくることが望まし い。
参考書等 駒込 武 『世界史のなかの台湾植民地支配―台南長老教中学校からの視座』(岩波書店)ISBN: 978-4-00-061073-5 C3021 (購入の必要はない。)
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