西洋史学講義

科目ナンバリング U-EDU01 20147 LJ38 開講年度・開講期 2021 ・ 通年
単位数 単位 授業形態 講義
配当学年 2-4回生 対象学生
使用言語 日本語 曜時限 水5
教員 小山 哲 (文学研究科 教授)
授業の概要・目的 ヨーロッパ世界では、歴史をどのように認識してきたのであろうか。また、歴史を研究する視角や方法は、時代の変化にともなって、どのように変化してきたのであろうか。この講義では、古代から現代までのヨーロッパにおける歴史認識の歴史を、各時代の全般的な状況をふまえながら概観し、それぞれの時代の歴史叙述の特徴や、歴史研究の方法をめぐる議論を紹介する。本講義をつうじて、古代から現代にいたるヨーロッパ史の流れを把握するとともに、西洋世界における歴史認識の特徴についての理解を深め、「西洋史学」という学問分野の歴史的特質と今日的課題について考える素材を提供することを目標とする。
到達目標 ・古代から現代にいたるヨーロッパ史の展開を把握し、各時代の全般的な状況について理解する。
・ヨーロッパにおける歴史認識や歴史叙述の歴史についての基本的な知識を習得し、それぞれの時代の特徴について理解する。
・ヨーロッパにおける歴史認識の特徴についての理解を深め、「西洋史学」という学問分野の歴史的特質と今日的課題について各自の関心に即して考察する。
授業計画と内容 以下のようなテーマをとりあげる予定

第Ⅰ部 イントロダクション
第1回 ふたつの問い――序説の序説
第2回 図像からみた「ヨーロッパ」のイメージの変遷

第Ⅱ部 近代歴史学の成立から現在まで
第3回 事実は一体どうであったのか――レオポルト・フォン・ランケの歴史学
第4回 ランケの日本的領有(その1)――日本における「西洋史学」の成立
第5回 ランケの日本的領有(その2)――京都学派とランケ史学
第6回 歴史のなかに「繰り返すもの」をみる――ブルクハルトの歴史観
第7回 病としての歴史的教養――ニーチェの歴史学批判とブルクハルト
第8回 人間がつくる歴史、歴史に縛られる人間――マルクスの歴史像
第9回 脱魔術化する世界――マックス・ウェーバーにとっての西洋近代
第10回 日本におけるマックス・ウェーバー受容と「西洋史学」
第11回 人食い鬼としての歴史家――アナール学派の歴史学(その1)
第12回 歴史的時間の多層性――アナール学派の歴史学(その2)
第13回 時系列史から表象の歴史学へ――アナール学派の歴史学(その3)
第14回 多元的世界から資本主義世界経済へ――世界システム論の視座
第15回 17世紀危機論争と日本の「西洋史学」
第16回 ポスト冷戦と歴史研究――ポーランドの場合
第17回 国境を越えて歴史認識を議論するには――ポーランド・ドイツ「記憶の場」
第18回 感情に歴史はあるか――歴史研究のフロンティア

第Ⅲ部 近代歴史学以前のヒストリオグラフィ
第19回 自然哲学から歴史叙述へ――ヘロドトスの歴史叙述
第20回 可能なかぎり厳密に――トゥキュディデスの歴史叙述(その1)
第21回 ファロクラシー?――トゥキュディデスの歴史叙述(その2)
第22回 ローマからみた「世界史」――ポリュビオスの歴史観
第23回 帝国の暗鬱――タキトゥスの描く帝政ローマ
第24回 救済史としての歴史――中世ヨーロッパの歴史叙述(その1)
第25回 過ぎし年月の物語――中世ヨーロッパの歴史叙述(その2)
第26回 普遍史の危機(その1)――人文主義と歴史叙述
第27回 普遍史の危機(その2)――啓蒙期の歴史観
第28回 ふたつの歴史哲学(その1)――ヴォルテールの場合
第29回 ふたつの歴史哲学(その2)――ヘーゲルの場合
第30回 授業の内容をふまえた総論


フィードバックについては、授業中に指示する。




 
成績評価の方法・観点 前期と後期に各1回、レポートの提出を求める。成績の評価は提出されたレポートにもとづいて行う。
授業でとりあげた文献のなかから各受講生が1ないし複数の文献を選択し、その内容について論述することをレポート課題の内容とする。レポートの評価にあたっては、文献の読解の正確さ、ヨーロッパ世界における歴史認識の特徴にかんする理解度、文章表現や論理構成の適切さなどを総合的に評価する。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 授業のなかで、関連する文献のリストを提示する予定である。受講者には、各自の関心にしたがってリストから文献を選び、読み進めていくことを期待する。
教科書 授業中にプリントを配布する。
参考書等 人文学への接近法―西洋史を学ぶ―, 服部良久・南川高志・小山哲・金澤周作編, (京都大学学術出版会、2010年), ISBN:978-4-87698-948-5, 京都大学における西洋史学研究・教育への導入解説をおこなっており、本講義全体を通じて参考となるであろう。
論点・西洋史学, 金澤周作監修, (ミネルヴァ書房、2020年), ISBN:978-4-62308-779-2
上記の本以外の参考文献については、テーマに応じて、授業中に紹介する。
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