植物生化学実験

授業の特色
本科目では植物を対象として、古典的な無機分析化学実験からモダンな生化学的解析まで幅広い内容の実験を行う。個々の操作の意味や必然性を考えながら実験を進め、生命現象を化学的に解析する能力の基礎を身につけることを目的とする。

授業の紹介
本実験は「植物の無機成分分析」と「植物細胞の分化全能性とプロトプラスト実験」の2部構成となっている。前者では植物による土壌ミネラルの吸収と同化、また後者では細胞培養や形質発現を解析するための、基本的な実験法を習得する。これらの実験を通じ、土壌ミネラルの有機物への変換、環境変化への柔軟な適応など、植物に固有の能力について理解を深める。

講義詳細

年度・期
2011年度・前期集中
開講部局名
農学部
教員/講師名
小林 優
遠藤 剛
伊福 健太郎
落合 久美子

シラバス

開講年度・開講期 2011年度 前期(集中) 授業形態 実験
対象学生 3回生
教員
小林 優
遠藤 剛
伊福 健太郎
落合 久美子
授業計画と内容
1. 植物無機元素分析:植物の無機元素吸収量を測定し栽培条件との関連について解析する.
2. 植物酵素の抽出と活性測定:無機養分代謝に関連する酵素群の活性を測定し栄養状態との関連を検討する.
3. 細胞の全能性:植物から脱分化培養細胞を誘導するとともに,脱分化細胞から植物組織の再分化を行う.
4. 形質発現:植物細胞の脱分化に伴う形質発現変化を蛋白質レベルで解析する.
5. 細胞融合:植物よりプロトプラストを調製し,細胞融合を行う.

[授業スケジュール]
植物の無機成分分析
第1〜2回 植物試料のケルダール分解
第3〜5回 ケルダール窒素の定量
第6〜7回 硝酸態窒素の定量
第8回 リンの定量
第9回 カリウムの定量
第10回 結果検討会

植物の分化全能性とプロトプラスト実験
第1〜3回 植物組織からのカルス誘導
第4〜5回 脱分化に伴う形質発現の変化の観察
第6〜7回 プロトプラスト実験
第8回 無傷葉緑体の単離と光合成酸素発生測定
第9回 カルス観察
◎ 第9回のカルス観察は植え付け(第3回)の2−3週間後に行う

[授業体制]
各回とも操作上のポイント、安全に関する留意点等に関して実験講義を行ったのちに実験室に移動し、実験を開始する。実験は2あるいは4人一組で行う。植物の無機成分分析実験は小林・落合およびティーチングアシスタント、植物の分化全能性とプロトプラスト実験は遠藤・伊福およびティーチングアシスタントが担当する。

[課題]
実験レポートの提出
成績評価の方法・観点
出席およびレポートにより評価する
教科書・参考書等
[教科書]
京都大学農学部応用生命科学科 『応用生命科学実験』
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