資源生物科学実験及び実験法Ⅰ・Ⅱ

講義詳細

年度・期
2012年度・前期
開講部局名
農学部
使用言語
日本語
教員/講師名
資源生物学科教員(農学研究科)
備考
「資源生物科学実験及び実験法Ⅱ」と合わせて通年の履修が前提となっている.3回生初頭のガイダンスにおいて,履修スケジュール・班分け・レポート提出要領など重要な説明を行なうので,必ず出席すること.

シラバス

開講年度・開講期 2012年度 前期 授業形態 実験
対象学生 3回生 曜時限 火3・4・5, 水3・4・5, 木3・4・5
教員
資源生物学科教員(農学研究科)
授業の概要・目的
資源生物科学が対象とする生物は大型の動植物から微生物に至るまで多種多様である.それらの生物の形態と構造,成長と発育,生体成分の訂正と定量,および生体と環境との関わりについて深く学習する.本実験を通じて,各種実験法の原理と生物材料の取り扱い方を学ぶ.

#1. 見る
1 第1章 一般操作
第1節 スケッチ法
第2節 組織切片の作製法と染色法
第3節 電子顕微鏡
2 第2章 植物を見る
第1節 植物の栄養器官・基本3器官(根・茎・葉)の外部形態観察

第2節 植物の栄養器官・基本3器官(根・茎・葉)の内部形態観察
第3節 植物の栄養器官・植物の三層構造(L1・L2・L3)の観察
第4節 植物の生殖器官・植物の繁殖様式と花の構造との関連の観察
第5節 植物の生殖器官・植物の花粉管伸長の観察
3 第3章 動物を見る
第1節 動物の発生(カイコ蛹の器官形成・メダカの卵発生・マウス胎児の解剖)

第2節 昆虫幼虫の解剖(カイコ幼虫)
第3節 昆虫成虫の構造と機能(カイコ成虫)
第4節 魚類の解剖
第5節 哺乳類の解剖(実験動物)
第6節 比較組織解剖学
第7節 魚類の鰓の肉眼・微細観察
4 第4章 微生物を見る
第1節 海産大型藻類の観察
第2節 微細藻類(培養細胞)の観察
第3節 細菌の観察
5 第5章 細胞・分子を見る
第1節 細胞周期の各ステージの観察
第2節 体細胞分裂中期染色体像の観察

#2. 育てる
1 第1章 植物を育てる
第1節 植物の栽培
第2節 成長過程の数量化
第3節 成長と環境
第4節 資源生物
2 第2章 動物を育てる
第1節 陸上動物
第2節 水生動物
3 第3章 微生物を培養する
第1節 ウイルス
第2節 細菌
第3節 糸状菌を培養する
第4節 線虫の胚発生の観察
第5節 藻類・プランクトン
4 第4章 細胞を培養する
第1節 植物細胞
第2節 動物の生殖細胞
第3節 動物の体細胞

#3. 分ける
1 第1章 分析法
第1節 比色定量
第2節 薄層クロマトグラフィ
第3節 ガスクロマトグラフィ
第4節 電気泳動
2 第2章 核酸の分析
第1節 DNA抽出
第2節 PCR法によるDNA解析
第3節 ゲノムDNAのサザンブロット分析
3 第3章 タンパク質の分析
第1節 生体材料におけるタンパク質定量
第2節 生体材料からのタンパク質抽出,塩析,精製,結晶化
第3節 SDS-PAGE法ならびにウェスタンブロット法による分析
第4節 酵素活性測定
第5節 データベースおよびウェブツールを用いたバイオインフォマティクス
4 第4章 脂質の分析
第1節 脂質化学の基本
第2節 脂質の抽出・分離
第3節 脂質酸化
第4節 脂質の定量

#4. 関わる
1 第1章 生物と非生物環境の関わり
第1節 海洋・湖沼環境の季節変動
第2節 河川環境に応じた水性昆虫のすみわけ
第3節 植物の生長と施肥:試料の採取とその調製法
第4節 植物の生長と施肥:試料の窒素分析法
第5節 土壌微生物による資源利用特性の解析
2 第2章 生物間の相互作用
第1節 ハダニと捕食性カブリダニの相互作用
第2節 ハダニの配偶行動に見る雄と雌の関係
第3節 農耕地における被食者-捕食者系の実態
第4節 異なる飼料を給与したメンヨウの第一胃発酵の解析とプロトゾアの観察
3 第3章 物に対する人為的攪乱の影響
第1節 蛍光物質濃度と指標生物の関係
第2節 アセトインの比色分析法による除草剤抵抗性の迅速
第3節 雑草群落の調査法
第4節 農学系のフィールドワーク
授業計画と内容
実験の内容は下記の4群に分けられる.各群ごとに編成された教員チームがそれぞれ7~8週の授業を行ない,「資源生物科学実験及び実験法Ⅱ」と合わせて通年で4群の内容をすべて習得させる.
1.「見る」:生物材料(植物,動物,微生物,細胞・分子)の観察に必要な知識と技術(各顕微鏡の操作法,スケッチの仕方,切片の作製法,解剖の方法,顕微鏡写真の撮影)を習得する.実験を繰り返す過程で生物材料の観察眼を養う.
2.「育てる」:植物の栽培,動物の飼育,微生物の培養,および動植物の細胞培養について必要な基礎知識と実験手法を習得する.実験・実習により,生物生産に対する理解を深め,生物を取り扱う感性を磨く.
3.「分ける」:生態成分の分析に必要な各種分析法を学ぶ.測定原理を正しく理解し,資料の準備と調製方法および測定装置の操作法を習得する.さらに,核酸,タンパク質,脂質について,関連の基礎知識と抽出から定量までの一連の手順を学ぶ.
4.「関わる」:生物と非生物環境との関わり,生物間の相互作用,および生物に対する人為攪乱の影響について学ぶ.実験を通して,大局的な視点を養い,生物とそれを取り巻く環境への理解を深める.
成績評価の方法・観点
出席しかつレポートを提出した回数とレポート内容により評価する.遅刻は原則として欠席扱いとする.
履修要件
2回生において「資源生物科学基礎実験」を履修しておくこと.
教科書・参考書等
[教科書]
専用の実験書を配布する。

[参考書等]
テーマ(パワーポイントファイルまたはPDF)
授業中に配布する。
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