言語教育政策論演習

Numbering Code U-HUM24 28363 SJ42
U-HUM24 28363 SJ37
U-HUM24 28363 SJ47
Year/Term 2021 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.4
Instructor name NISHIYAMA NORIYUKI (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course この授業では,フランス植民地主義における言語問題を考察する。植民地政策の一環として言語政策があることは知られているが,それがフランス植民地主義においてどのように運用されてきたのかはあまり知られていない。そこで,この授業ではアルジェリアの植民地主義を振り返り,それを受けて,スイス人著作家レオポル・ド・ソシュールLeopold de Saussure(1866-1925)が1899年に刊行した著作を読み,フランス第三共和政における植民地政策と言語政策の関係を考察する。
 レオポル・ド・ソシュールは近代言語学の祖フェルディナン・ド・ソシュールFerdinand de Saussure (1857-1913)の弟であり,中国学者にして,海軍士官であり,その資格で日本に三ヶ月ほど滞在したこともある。植民地主義に関しては,本書一冊を残したのみであるが,19世紀末から20世紀にかけて,フランス植民地主義が同化主義から協働主義へと転換を遂げる上で,ソシュールは重要なイデオローグの役割を果たした。ソシュールは,社会学者ギュスターヴ・ルボンの弟子を自任しており,植民地政策についてルボンの主張を深め,とりわけ植民地同化主義の限界を明確に指摘し,フランス同化主義の源泉を大革命にあると看破するなど,その思想史的意義は大きい。また20世紀初頭の植民地会議にも論客としてたびたび招聘され,なかでも1900年に開催された植民地社会学国際会議での発言は植民地同化主義の転換に決定的な役割を果たした。それ以降,協働主義という緩やかな同化主義が植民地経営の基調となってゆく。
 レオポル・ド・ソシュールの活躍した時代から100年以上経ち,改めてその著作を読み直すと,「人種主義者」の相貌の元に,異民族に言語を教えることは何を意味するのか,という根源的問題が立ち現れる。
 レオポル・ド・ソシュールに関する研究はアメリカでは多少行われているが,フランスではほとんど注目されていない。これは,ポストコロニアル研究がアメリカでは進められているが,フランスではあまり進められてこなかったことに関連している。しかし,本書はフランスのポストコロニアリズムを考察し,異民族や異言語との共生を探る上で,無視できない著作である。
Course Goals 植民地主義に関する文献の講読を通じて,植民地主義と言語政策の関連や,言語教育・学習と政治の関連に関する基本的考え方を理解する。
Schedule and Contents 1回の授業では1章あるいは2章を取り扱い,受講者がそれぞれパワーポイントなどを使用した発表を行い,討議を深める。必要であれば,フランス語の原文も参照し,理解を深める。

シャルル=ロベール・アージュロン 著 『アルジェリア近現代史』 クセジュ文庫
はじめに 一八三〇年以前のアルジェリアとアルジェ遠征
第1部 軍人のアルジェリア(一八三〇~一八七〇年)
第2部 植民地アルジェリア(一八七〇~一九三〇年)
第3部 『アルジェリアは生き残れるのか』(一九三〇~一九五四年)
第4部 アルジェリア戦争
第5部 独立後のアルジェリア

レオポール・ド・ソシュール『フランス植民地主義の心性』(コピーを配布する)
1)原住民の制度
2)精神性の遺伝
3)ドグマの起源からの変化
4)同化というドグマ
5)同化の効果
6)教育による同化
7)制度による同化
8)言語による同化
9)クレオール地域での同化
10)同化という措置の不可逆性
11)1889年の植民地会議と同化論
12)個別的な同化の問題
13)ローマ治世下のガリア
14)日本の場合
15)まとめ
Evaluation Methods and Policy 出席(20%),レポート(80%)による総合評価を行う。
Course Requirements フランス語の履修者が望ましいが,必修ではない。
Study outside of Class (preparation and review) 出席にあたっては必ず予習を行い,該当箇所を読んでおくこと。
Textbooks Textbooks/References アルジェリア近現代史, シャルル=ロベール・アージュロン, (白水社,文庫クセジュ), ISBN:9784560058572
Related URL https://noriyukinishiyama.com
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