欧米歴史社会論IIB

Numbering Code U-HUM32 24205 LJ38 Year/Term 2021 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.5
Instructor name SASAKI HIROMITU (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course テーマ:ユダヤ人迫害の歴史はなぜ繰り返されたのか?
ユダヤ人迫害と聞くと誰もがナチス=ドイツのホロコーストを思い出すに違いない。しかし、ドイツ史上ユダヤ人虐殺の過去はけっしてこの一回に尽きるものではなかった。1348年から1350年にかけて吹き荒れた迫害の嵐はとくに激しく、前近代最大のユダヤ人迫害としばしば呼ばれる。なぜドイツは二度目の迫害を未然に阻止することができなかったのか。1945年以前にドイツで刊行された歴史教科書の検討を通じて、この問いに答えたい。第二次大戦後の歴史教科書に見られるユダヤ人迫害の記述についてもコメントしたい。
Course Goals ドイツは「過去の克服」のお手本といわれる。それがどの程度妥当するのか、歴史教育の歴史をひも解きながら解説する。今年は中世のユダヤ人迫害が近代以降のドイツの歴史教科書でどのように説明されていたのかを詳述する。「過去の克服」という観点からドイツの歴史教育について概説できる能力を身につけることを目標とする。具体的には以下の能力を身につけることを達成目標とする。

1.「過去の克服」という概念の内容を理解し、それに対する批判・反批判の動向を説明できること。
2.世界の各所で話題に上る歴史認識問題に一定の所見をもてるようになること。
3.ドイツ・ユダヤ人史の流れが説明できること。
Schedule and Contents 基本的に、以下の計画に従って講義を進めます。ただし、講義の進み具合、時事問題への言及などに対応して、順序や同一テーマの回数を変えることがあります。
第 1回 ドイツ・ユダヤ人史
第 2回 ドイツの歴史教育
第 3回 史料としての歴史教科書
第 4回 ドイツの歴史教科書のユダヤ人記述―古代・近代編―
第 5回 ドイツの歴史教科書のユダヤ人記述―中世編―
第 6回 ドイツの歴史教科書のパラダイム転換―1900年ごろ―
第 7回 ドイツ歴史教科書の文化史的転回
第 8回 カール・ランプレヒトの「文化史」
第 9回 天災説から高利説へ
第10回 ユダヤ人高利貸像―国民経済学者ヴィルヘルム・ロッシャー―
第11回 高利説と文化史的転回
第12回 先鋭化する迫害言説
第13回 迫害言説の改善のために
第14回 「過去の克服」とその課題
第15回 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 平常点評価(20%)、定期試験(80%)
平常点評価は、授業への参加状況を基礎にします。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 前回の授業内容を必ず一度は見直してください。授業中に指示する参考文献を読み進めてください。
Textbooks Textbooks/References 授業の折に史料を配布します。
References, etc. トレント 1475年ーユダヤ人儀礼殺人の裁判記録ー, ロニー・ポッチャ・シャー, (昭和堂、2007年)
参考文献:
1.佐々木博光「近代ドイツの歴史教科書にみる中世のユダヤ人迫害」『人文学論集』30集、2012年、37-77頁
2.佐々木博光「資本主義論」金澤周作編『論点・西洋史学』ミネルヴァ書房、2020年、138-139頁
3.佐々木博光「(翻訳)カール・ランプレヒトー産官学連携のなかの文化史ー その1・2・3」『人文学論集』36集、2018年、133-171頁;37集、2019年、47-95頁;38集、2020年、289-325頁
4.佐々木博光 「(論文評)ユダヤ人高利貸像再考資本主義論(Gilomen, Hans-Jörg, Wucher und Wirtschaft im Mittelalter, 1990)」『史林』88巻、2005年、461-468頁
PAGE TOP