5531003Philosophy of Religion (Special Lectures)

Numbering Code G-LET07 65531 LJ34 Year/Term 2021 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.4
Instructor name SUGIMURA YASUHIKO (Graduate School of Letters Professor)
Outline and Purpose of the Course  20世紀後半の現代フランス思想、およびそれに深く関与する思想家たちの間で、「証言」ないしは「証人」といった概念が鍵語として共有されていた時期があった。レヴィナス、ブランショ、リクール、デリダ、アガンベン等、数々の例を挙げることができる。そこで直接間接に参照されていたのは、「アウシュヴィッツの証人」の置かれた状況を範例とする極限的事態であり、「証言不可能性の証言」というべきその極度に屈折した表現形態であった。同時に証言や証人といった語彙は、聖書的一神教に根差した長い歴史をもつものでもある。上記の思想家たちも、それを踏まえた上で、各々の仕方でその「宗教的」リソースを換骨奪胎して再活用し、自らの哲学や文学の核心部に導き入れたのであった。加えてこの問題系は、記憶と歴史の関係という問題とも連動して、歴史認識論の重要な主題ともなった。
 近年、このように宗教、哲学、文学、歴史記述等の多分野を横断しつつ尖鋭的な問題として問われたこの時期の「証言」論について、その全体像を描き直すような仕方で再考しようという動きが目立ってきた。本講義では、そうした研究動向にくみする者の一人として、宗教哲学の見地から、このような流れの証言論の全体像を可能な限り包括的に提示し、それが今日の宗教哲学にとってもちうる意義を問い尋ねてみたい。

Course Goals 1.「宗教哲学」と呼ばれる思索様式とその今日的課題に触れ、そこから自ら思索していく上での基礎となる見識を身につけ、自らの問いを形成するための端緒とする。
2.「宗教哲学」的思索の様態と意義を、人文学の他の諸分野との相互連関において確認し、自らのものとすることができる。
3.個々の思想家や思想的立場についての歴史的研究を、哲学的・宗教哲学的な思索へと連関づける仕方を学び、それを自らの学習や研究に役立てられるようになる。
Schedule and Contents 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2、3回の授業を充てて講義する。
(「特殊講義」という、教員の研究の進展を直接反映させることを旨とする授業であるので、1回ごとの授業内容を細かく記すことはしない。また、以下の諸テーマにしても、細部については変更の可能性がある。)

1.現代フランス思想における「証言」論―俯瞰的展望
2.証言/証人概念の宗教的・哲学的系譜―歴史的考察
3.リクール・レヴィナス・デリダ―「証言の哲学」の諸変奏
4.ツェランを読むブランショ―証言のポエティクス
5.記憶・証言・歴史―証言のポリティクス
6.「証言の不可能性の証言」以後―宗教哲学の現在

フィードバックの仕方については、授業中に告知する。
Evaluation Methods and Policy 学期末のレポートにより、到達目標の達成度に基づいて評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 初回の授業の際に文献表を配布するので、自らの興味に応じていくつかのテクストを選んで精読し、自らの問いを携えて授業に参加できるように準備してほしい。また、各回の授業の後は、その回に扱った文献に目を通し、自分の思考を触発した部分を中心に、理解した事柄を自分の言葉でまとめ直すようにしてほしい。
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