Introduction to Lifelong Learning I

Numbering Code U-EDU03 23076 LJ47 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits Course Type Lecture
Target Year From 2nd to 4th year students Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.3
Instructor name YAMADA MASHAYUKI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  生涯にわたり人間として生き生きと生きるため学習を思想と実践に即して概説する。個体発生と系統発生(個人の発達と社会の発展と生物の進化)の重層的な相関性、主観と客観の統合における生涯学習の意義や課題に関する基礎を理解することを目的とする。
 この授業は生涯学習と生涯教育の連関を中心に据えており、生涯学習概論Ⅱで生涯学習と生涯発達の連関が主となる。発達・学習・教育・形成を相互に連関させ、相互作用と相乗効果を目指す中で生涯学習を本質的かつ総合的に捉える。これに基づき、社会教育主事、図書館司書、博物館学芸員など様々な専門職員の実践力の共通基盤とする。
Course Goals  「過現未」の視座で、高校までの総合的学習・アクティブ・ラーニングに立脚し、学生としてのアクティブ・ラーニングを以て生涯学習を理解し、諸領域で応用・実践できることを目標とする。これを卒業後の専門分野におけるアクション・リサーチのための土台とする。知行合一に則り、学習した内容を実践し、自分の目標とする生涯を生き抜く「徳=力(virtue)」、「人間的強さ」を獲得する(自分を例外としない)。「生きる力」を「共に生きる力」へと高める。これを通して通時、共時、教育水準、無意識~超越、性~愛という五次元で生涯学習を心理歴史的に理解する。
Schedule and Contents 1.ガイダンス:授業の構成の説明。個人の発達と社会の発展と生物の進化を統合的に認識するための基本的視座(パースペクティヴ)。学習・教育・発達・形成の相互作用(インタラクション)、相乗効果による普遍的価値の探究。

2.東洋の仏教、儒学・儒教、老荘思想・道教、神道等々の摂取、融合(習合)と、それを通した「学」と「和」の精神。中世の歴史的段階における心理歴史的発達・発展観としての「十住心論」。

3.西洋のヘレニズム/ヘブライズム、知への愛(フィロソフィー)、無知の知/知恵と原罪、信仰・信頼と希望と愛(アガペー)、死の「練習」/「一粒の麦」、信仰~神学~哲学、考えること/考えられることと存在、義、愛、黄金律、真理と自由~必然と自由

4.儒学を基軸とした現実主義と東洋的専制、アジア的停滞、家父長制、科挙・宦官・纏足の支配構造。朱子学の「理」的な認識論と陽明学の知行合一と良知。

5.マージナルな列島における「孤悲(こひ)」、「あはれ」(平安文学)、無常観、鴨長明「みずから」、世阿弥「花」、武蔵「自由」、禅と武士道・婦道、西郷隆盛「敬天愛人」、新渡戸稲造『武士道』

6.ルネサンス、宗教改革・宗教抗争、近代啓蒙、未成年状態からの「脱却」、社会契約と永遠平和、定言命令と道徳哲学、精神進歩史、科学革命、産業革命、市民革命(イギリスとフランスの対比)

7.産業革命と資本主義と帝国主義の「発展」、市民革命から社会主義革命(特にマルクス主義)と社会民主主義改良、思想の自由で多様な展開、自由・民主の実践としての普通選挙運動と自己教育運動、大学拡張とセツルメント

8.近世から近代、欧米の帝国主義、「敬天愛人」の西郷隆盛とそれに呼応した勝海舟が主導した江戸「無血開城」、明治維新、文明開化、学制、福沢諭吉「学問のすすめ」、新渡戸稲造「武士道」

9.欧化政策、教育勅語、国権論と民権論、大日本帝国憲法と自由民権運動、若者組から青年団へ、生涯教育の先駆としての社会教育(広義)、欧米の新教育運動と大正自由教育、家庭教育・学校教育・社会教育(狭義)の統合としての生涯教育(特に戦後)

10.相対性・相関性の認識(マッハ、アインシュタイン、フッサールたち)、世界大戦と京都学派、ゲネシスとポイエシスとプラクティス、「過現未」、「永遠の今」、「一即多、多即一」の弁証法(西田幾多郎、三木清)、「文化政策」(三木・宮原誠一)、形成と教育(宮原)

11.デューイ~山下~宮原の「社会教育」、「社会の自己指導」、経験の「再構成」と「再分肢」教育論、シュッツのウェーバーとフッサールを統合した現象学的社会学、ミードのシンボリック・インタラクション、デューイのコミュニケーションと公共性、アクション・リサーチと実験/経験主義(エンピリカル)教育

12.戦前と戦後の連続と発展、大日本帝国憲法~日本国憲法、教育基本法、社会教育法、国会図書館法、図書館法、博物館法、自己教育と相互教育、下村湖人の「白鳥蘆花に入る」や「煙仲間」、鈴木健次郎と公民館を軸にした実践

13.二つの大戦後の冷戦下におけるユーゴスラヴィアの非同盟平和主義と自主管理社会主義と生涯教育、パウロ・フレイレの「意識化」と「対話」、ユネスコの「学習権宣言」

14.高度経済成長、高学歴化、生涯教育から生涯学習へ、高等教育・大学「帝大解体」~大学改革、「バブル」と知の頽廃、大学の「レジャーランド化」、宮原から五十嵐顕、藤田秀雄、川上徹たちへの教育のアクション・リサーチ

15.複合的暴力の現象形態たる開発独裁に対する持続可能な発展・開発、その教育・学習、人間の安全保障、日本再生、教育再生、絶えざる高度情報化とグローバリゼーション、サブリミナル操作、ビッグデータ、IoTとメディア・リテラシー、シンギュラリティに向かう趨勢におけるAIと人間、「ブレイン・マシン・インターフェイス」における端末と中心

16.フィードバック:「日本再生」や「教育再生」に対して「過現未」で「どうなるか」、「どうするか」の追究
Evaluation Methods and Policy  積極的な予習、復習、受講姿勢=平常点(30%)、小テスト(30%)、小レポート(40%)の総合評価。評価方針に関わる到達目標については、教育学部の成績評価の方針に従って評価する。
Course Requirements  リベラル・アーツ(自由な学芸)としての教養、積極的な受講姿勢。 
Study outside of Class (preparation and review)  KULASIS(クラシス-京都大学教務情報システム-)で予習、復習を指示。質問などはメールで受ける。
 yama at cc.osaka-kyoiku.ac.jp
Textbooks Textbooks/References  誰もが、いつでも、どこでも為すべき、できる生涯学習にとって、テキストは発展し続けるビッグデータに対応して作成する講義ノート。
 ペーパーレスが基本。
 KULASIS(クラシス-京都大学教務情報システム-)を活用し、授業時間のみならず、逐次、情報を提供するので、予習・復習に努める。
References, etc. 社会教育の経営・生涯学習の支援(ノート), 山田他, (秋田平和学習センター), ISBN:9784990061920
平和教育の思想と実践, 山田正行, (同時代社), ISBN:9784886836076
アイデンティティと時代, 山田正行, (同時代社), ISBN: ISBN:9784886836847
アイデンティティと戦争, 山田正行, (グリーンピース出版会), ISBN:4906302149
「わだつみのこえ」に耳を澄ます―五十嵐顕の思想・詩想と実践, 山田正行, (同時代社), ISBN:9784886838445
戦中戦後 少年の日記 1944-45年, 藤田秀雄・山田, (同時代社), ISBN:9784886837684
 他にも逐次授業で指示する。
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