コンテンツに飛ぶ | ナビゲーションに飛ぶ

  • 日本語
  • English
セクション
 

科学創成論

シラバスID la_30094
開講年度・開講期 前期
授業形態 講義
対象回生 大学院生
対象学生 Undergraduate
使用言語 日本語
曜時限 金5
教員
  • 山口 栄一(総合生存学館)
授業の概要・目的 自然科学のみならず社会科学・人文科学の研究においても、「科学とは何か」、「科学の誕生にとって何が本質だったのか」、「科学と他の知とを峻別するものは何か」について把握しておくことは重要である。本科目では、これらの把握をめざして、科学とは何かを本質から理解することを目的とする。

【研究科横断型教育の概要・目的】
科学の本質を知悉し、科学をさらに上の次元から俯瞰することは、理系の大学院生のみならず、文系の大学院生にとってこそ必須である。多様な専門分野の共通基盤となる科目として、俯瞰力と独創力を鍛えるために設置された科目であって、とりわけ既存のパラダイムを破壊していった10人の物理学者に焦点を当て、彼らの時代背景、生い立ち、思想を述べた後、彼らの時代の数学を用いて、その創発のプロセスを追う。
到達目標 科学とは何か、それが如何にして生まれたかを、本質から理解できるようにする。さらには、古典力学・統計力学・前期量子論・相対性理論・量子力学・半導体物理学の大局的概念を理解できるようにするとともに、現代の高度情報化社会を成立させている一群のハイテク技術の本質を具体的に想像できるようにする。
授業計画と内容 第 1回 物理学の誕生I
科学とは何か。科学の誕生にとって何が本質だったのか。科学と他の知とを峻別するものは何か。

第 2回 物理学の誕生II
ギリシア哲学からケプラーまで、その歴史を学ぶ。

第 3回 ニュートンと古典力学I
ニュートンが生きた時代背景、ニュートンの生い立ちを学ぶ。

第 4回 ニュートンと古典力学II
ニュートンの万有引力の法則を、17世紀当時の数学(ユークリッド幾何学)を用いて導く。

第 5回 ボルツマンと統計力学I
ボルツマンが生きた時代背景、ボルツマンの生い立ちを学ぶ。

第 6回 ボルツマンと統計力学II
ボルツマンの統計力学を、高校数学を用いて導く。指数関数・対数関数の知識を必要とする。

第 7回 プランクと前期量子論I
プランクが生きた時代背景と生涯を学ぶとともに、プランクが如何にして光量子仮説に到達したか、その創発のプロセスを
追体験する。さらに、彼の死ぬ間際の苦悩を知る。

第 8回 プランクと前期量子論II
前期量子論の発展プロセス、とりわけバルマーの発見について学び、ボーアの原子模型に到達する。

第 9回 アインシュタインと相対性理論I
アインシュタインの生い立ちを学ぶとともに、高校1年程度の数学を用いて特殊相対性理論をみずから導く。

第10回 アインシュタインと相対性理論II
相対性理論について、ミンコフスキー空間を用いてさらに深く理解する。

第11回 ドゥ・ブロイ、シュレーディンガー、ハイゼンベルクと量子力学I
シュレーディンガーは、ドゥ・ブロイの創発から如何にして量子力学概念に到達したかを学ぶ。あわせて、初めて量子力学に
到達したハイゼンベルクの時代背景とその苦悩を理解する。指数関数の微積分の知識を必要とする。

第12回 ドゥ・ブロイ、シュレーディンガー、ハイゼンベルクと量子力学II
シュレーディンガー方程式を解いて、電子のふるまいを考察する。指数関数の微積分の知識を必要とする。

第13回 量子力学とナノテクノロジーI
量子力学はどのように現実世界の理解を変革させたかを概観する。とくに半導体とは何かを理解する。2x2行列の固有値
問題の知識を必要とする。

第14回 量子力学とナノテクノロジーII
量子力学を用いて、半導体テクノロジーやナノテクノロジーを概観する。とくにダイオードやエサキダイオード、
発光ダイオードや太陽電池、トランジスタやMOSFETの動作原理を学ぶ(数学の知識を必要としない)。

第15回 各人の発表
全体の理解を確認するために、各受講生の発表を行なう。
成績評価の方法・観点及び達成度 クラスへの貢献度 20%、全6回のレポート 30%、最終レポート50%
履修要件 高校数学の知識、とくに指数関数・対数関数とその微積分法は必須。
さらに行列(2x2まで)の固有値問題を学んでおくことが望ましい(要件とはしない)。
授業外学習(予習・復習)等 復習を行なうこと。予習の必要はない。
教科書
  • 死ぬまでに学びたい5つの物理学, 山口栄一, (筑摩選書 2014年),
参考書等
  • イノベーションはなぜ途絶えたか, 山口栄一, (ちくま新著 2016年),
  • 物理学者の墓を訪ねる―ひらめきの秘密を求めて, 山口栄一, (日経BP 2017年),