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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 公共政策大学院 専門基礎科目 行政官の役割規範

行政官の役割規範

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科目ナンバリング
  • P-GOV00 62130 OJ45
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義・演習
配当学年 1・2回生
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 木2
教員
  • 嶋田 博子(公共政策大学院 教授)
授業の概要・目的 プロとしての行政官に求められる職業倫理とは何か。行政学の教科書では、しばしば「公務員は全体の奉仕者であり、中立性や専門性等が要求される」という趣旨の記述を目にするが、実はこれらの決まり文句が具体的にどのような行動を要求するのかは自明でない。とりわけ政策立案に携わる行政官に対する「中立性」の規範については、1990年代からの急激な政治主導の進展の下、いまだに解釈が確立しておらず、現場では日々の身の処し方について明確な羅針盤がない感がある。
本講義では、こうした決まり文句の解釈の違いが実際の行政や国民生活にどのような帰結をもたらすかを考える。併せて、具体的な表現による規範化を進めた英国とも比較しながら、政治に対する矩を超えず、雇用主たる国民に応えるために、現代の行政官が担うべき責務を考察する。
抽象的な用語は、往々にして思考停止を招く。だからこそ、それを「いま達成すべきは何か」「そのために何をすればよいのか」「なぜそれができないのか」という具体論に置き換られる思考力は、職務遂行における武器となる。官庁の政策現場で働くことを目指す受講生にとって有益な基礎訓練となろう。
様々な具体的事例を示した上で討議を求めるので、他人事として「〇〇すべき」と評論するのではなく、自分が直面したらどう行動できるのかという観点から考えてほしい。
到達目標 (1) 行政官の役割に関する用語の解釈の多義性と、解釈が変化した背景及び帰結を理解する。
(2) 現代にふさわしい行政官の職業倫理と、その遵守のために必要な条件について、生身の人間の弱さも想定しつつ当事者意識を持って考えられるようになる。
(3) 行政における生命線である「ことば」に対し、鋭敏な感覚を磨く。
授業計画と内容 1 序論 職業公務員の役割にまつわる主要なキーワードと問題の所在
(新人官僚は何を遵守すると誓うのか/「規則は行為を決定できない」/なぜ議論はすれ違い続けるのか~語感のズレと価値観のズレ/「言葉は私が意味した通りになる」)
2 「中立性」規範をめぐる講学上の常識 vs.公定解釈の不在
3 「中立性」の多義性
4 行政官側の認識の変遷
5 政治家側の認識の変遷:昭和期
6 政治家側の認識の変遷:平成期
7 レポートに基づく討議(この事例でどう行動すべきか・自分は行動できるのか)
8 何をめぐる対立だったのか ~ 言葉の衣を脱がせると
9 行政現場の変容と有識者の期待
10 主要四か国の「中立性」と行政官への役割期待
11 「全体の奉仕者」「政治主導」との関係
12 言語化をめぐる英国の試み ~ 言葉はどこまで現実を制御できるか
13 「専門性」の意味とその確保
14 レポートに基づく討議(役割規範の遵守には何が必要なのか)
15 フィードバック(方法は授業中に説明する。)

上記予定は、受講人数、受講者の関心、最新の社会・政治の動き等を見ながら、適宜変更があり得る。
成績評価の方法・観点 討議に向けて、2回のレポート(3頁程度)の作成と提出を求める(35×2)。クラス討議への貢献、講義における質疑に基づき加点する(30)。
履修要件 行政学の事前履修が望ましい。未学者は要相談。
授業外学習(予習・復習)等 クラス討議だけでなく、講義においても質疑への参加を求めるので、教科書及び配布するレジュメを事前に読んでおくこと。言葉に対する敏感さを磨くよう、日頃から新聞や国会議事録等を読み込んでアンテナを立てておいてほしい。 
教科書
  • 政治主導下の官僚の中立性, 嶋田博子, (慈学社),
参考書等
  • 行政学の基礎概念, 西尾勝, (東京大学出版会),
  • 行政学, 曽我謙悟, (有斐閣),
  • 官僚, 真渕勝, (東京大学出版会),
  • 行政学講義 -日本官僚制を解剖する, 金井利之, (ちくま新書),
  • 憲法の番人(1931年版), C.シュミット(川北洋太郎訳), (第一法規),
  • 第三帝国の言語, V.クレムペラー(羽田他訳, (法政大学出版局),