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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 公共政策大学院 専門基礎科目 情報管理論

情報管理論

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科目ナンバリング
  • P-GOV00 62040 LJ41
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 1・2回生
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月4
教員
  • 毛利 透(公共政策大学院 教授)
授業の概要・目的  この授業では、情報の取扱いをめぐって発生する法的問題について検討する。まず、表現の自由の原理論を復習したうえで、マスメディアの活動をめぐって生じる法的諸論点を扱う。取材の自由や名誉毀損・プライバシー侵害が主たる検討対象となる。それから、情報伝達媒体の特性から生じる問題を、放送とインターネットを素材にして検討する。その後、公権力による情報収集・管理の法的統制のあり方について、情報公開・個人情報保護の観点から検討し、さらに公権力による情報提供や表現活動への助成がはらむ問題性についても考察する。
 
到達目標  私人やマスメディアによる情報収集・発信に関する法的規制ならびに公権力による情報収集・管理の法的統制について基本的知識を習得し、学んだ内容と実務との関連について理解するとともに、情報法制に関連する現代的諸課題を自ら発見し、それに関する自己の見解を学問的知見に基づいて提示できるようになる。
授業計画と内容 1 ガイダンス、情報法とその憲法的基礎としての表現の自由
 情報法は情報の生産・流通・消費に関する法であると観念できる。それゆえ、自由かつ多様な情報流通の確保は、情報法において最も基本的な課題となるが、憲法21条が定める表現の自由はこれと密接に関連する。本講では情報法を学習する上での基礎となるべき表現の自由の基本原理について理解を深める。

2 報道・取材の自由
 事実報道には、取材が不可欠である。取材の自由についての判例の理解を押さえた上で、国家秘密の取材への制約事例について学ぶ。取材源秘匿がどこまで許容されるかについても考察する。さらに、取材対象者の報道への期待権との関係についても考察する。

3 名誉毀損法理(1)
名誉毀損による不法行為の成立要件についての判例法理を確認しつつ、名誉保護と表現の自由保障の調整をどのように行うべきか議論する。

4 名誉毀損法理(2)
事実摘示と意見表明の区別が問題となった事案を取り上げ、名誉毀損との関係でのその区別の意義や、対象言明の理解の仕方などについて検討する。

5 プライバシー侵害 
 プライバシー侵害による不法行為の要件について、名誉毀損の場合との異同に注意しつつ、検討する。

6 名誉・プライバシー侵害への各種の救済手段 
 民事的な救済手段として、損害賠償のほか、公表差止め、謝罪広告や反論文掲載などが主張されている。これらの救済手段の実効性や憲法適合性について考察する。

7 放送法制 
 日本の放送法制について概説し、特に表現の自由の観点から問題となる、政治的公平さの要求などの番組内容への規制の是非などについて議論する。

8 インターネットと法(1)
インターネットは、一般市民に表現の機会を広く提供する一方、新たな法律問題を多数引き起こしている。この回では、インターネット上の表現(リツイートなどの引用行為を含む)に従来と同様の法的規律を課すべきなのかについて、主に名誉毀損を例に考察する。

9 インターネットと法(2)
インターネットにおいては、多くの表現が匿名でなされており、表現行為を媒介するプロバイダの法的責任が問われることが多い。プロバイダ責任制限法を概観しつつ、この問題を検討する。さらに、「忘れられる権利」といった新たな主張も考察対象とする。

10 情報公開(1)
国・地方公共団体の情報公開の意義を理解し、情報公開法の概要について学ぶ。

11 情報公開(2)
情報公開を拒むことのできる事由の代表例として、個人情報や意思形成過程情報、行政執行情報などを取り上げ、具体的にどのように判断すべきか検討する。

12 個人情報保護(1)
行政機関による個人情報の利用が制約されなければならない理由について考えつつ、国・地方レベルの個人情報保護制度を概観する。公権力による個人情報収集の合法性が問題となった判例も検討する。

13 個人情報保護(2)
個人情報保護に関する主要判例の検討を続ける。さらに、事業者など私人の有する個人情報への規律について、マスメディアなどの特権的扱いの妥当性に焦点を当てつつ考察する。

14 公権力による情報提供や表現活動への助成の法的統制
 公権力による情報提供には、国民の知る権利にこたえる意味がある反面、情報操作の危険も内在している。また、国家が私人の行う表現活動に対して支援を行う場合にも、その恣意的な運用が情報の自由な流通を歪める危険がある。そこで、こうした国家による情報活動に対する法的統制の在り方について考察する。


15 フィードバック(詳細は授業中に指示する)
成績評価の方法・観点  学期末の筆記試験の成績を基礎として、プラスマイナス5点の範囲内で授業における発言・質疑応答への積極的参加などの平常点を加味して評価する。
 なお、病気、忌引または交通機関の不通その他やむをえない事情がないにもかかわらず、4回以上授業を欠席した場合には、単位を認めない。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等  授業における指示にしたがって、予習・復習をすることが求められる。
教科書
  • 授業で使用する資料は、事前に配布あるいは指示する。その予習を前提にして、双方向形式の授業を行う。予習資料はかなり大量であり、履修者には積極的に授業に取り組むことが求められる。
参考書等
  • よくわかるメディア法 第2版, 鈴木秀美・山田健太 編著, (ミネルヴァ書房), ISBN: ISBN:978-4-623-08563-7
  • 情報法概説 第2版, 曽我部真裕ほか, (弘文堂), ISBN: ISBN:978-4-335-35764-0
  • インターネット法, 松井茂記・鈴木秀美・山口いつ子 編, (有斐閣), ISBN: ISBN:978-641-12583-4
  • マス・メディア法入門(第5版), 松井茂記, (日本評論社), ISBN: ISBN:978-4-535-51978-7