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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 工学研究科 デザイン学分野 アーティファクトデザイン論

アーティファクトデザイン論

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科目ナンバリング
  • G-ENG05 8X402 LB18
  • G-ENG06 8X402 LB18
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 修士・博士
対象学生 大学院生
使用言語 英語
曜時限 水5
教員
  • 椹木 哲夫(工学研究科 教授)
授業の概要・目的 デザインの対象は、機械、建築物、情報システム、社会システムなど多岐に及ぶ。本講義では、人工的なものをひとまとめにする「人工物(アーティファクト)」の概念についてまず明らかにし、自然の法則と人間の目的の両者を併せ持つ事物や現象を扱うための科学をデザインの科学として論じる。目標を達成し機能を実現するための設計行為や、現存の状態をより好ましいものにかえるための認知・決定・行為の道筋を考えるデザイン活動など、多様な設計行為の中に共通に存在するデザインの原理について明らかにする。
到達目標 人工物のデザイン原理について理解し,システム的な思考により,問題点を抽出し,システムの分析・評価を対話的に行うための手法を駆使できるようになることを到達目標とする。
授業計画と内容 イントロダクション,1回
自然物と対等に位置付けるべきものとしての「人工物」という概念について明らかにし、その歴史について、古代「表象のための人工物」、中世「生存のための人工物」、近代「利便のための人工物」、現代「持続のための人工物」、の各時代における「人工物観」について論じる。

人工物の機能と目的,3回
人工物が外界すなわち他のものに与えている効果が“機能である。作られたものについての存在を問うための概念が機能であり、意図された目的を達成するための機能の設計がデザインである。人工物の“目的が、使用する文脈に対してどのような関係をもつかの観点から、人工物を類型化したカテゴリーについて論じ、記号過程(セミオーシス)からみた人工物の成り立ちについて講述する。

人工物のデザイン原理,2回
人工物の理解とは,その内部構造がどのように外界と作用して機能を発揮するかを知ることである。物理的な世界と情報の世界が相互作用を論じたサイバネティクスはいまや社会をも取り組んだ概念に拡張されつつあり(第2次サイバネティクス)、さらに人間の認知や意思決定については、外の世界との相互作用を積極的に考えて捉え直す概念(生態学的アプローチ、社会的分散認知、自然主義的意思決定)が提案されている。これら外界との界面における人間行動に関する理論に基づいた人工物のデザイン原理について講述する。

人工物のデザインのための表現と評価,3回
デザインは、個々の人工物にとどまらず、人工物や自然物の集合を含む環境・社会システムを生成し、生活の質を向上させていく役割を果たさねばならない。デザイン対象が、ハードな事物からソフトなサービスを含む環境・社会システムへと拡大する際の、問題の展開と表現方法、デザイン目的の設定手法、諸目標の曖昧さとコンフリクトの解消法、デザイン代替案の探索、デザインの評価、複数の関与主体の合意形成のための原理と手法について論じる。

人工物のユーザ中心デザイン,2回
デザインの質を評価するのは利用者としてのユーザであり、設計者・生産者との協業が行われねばならない。さらに、複雑なデザイン問題は、特定の領域の知識をもつ専門家だけでは解決できず、異分野間でのデザイン知識の共有が必須となる。利用者の立場・視点にたったデザインを実現するためのデザインプロセスの国際規格、Design Rationale、User Centered Design の概念について論じる。

参加型システムズ・アプローチ,2回
大規模複雑化する人工物のデザインを扱うには、問題の構造化をシステミックに行い、かつ多視点で進めるという考え方が必須となる。システム設計者とユーザとコンピュータとの間の対話的プロセス(インタラクティブ・プロセス)、当該分野でのエキスパートとコンピュータとの対話の繰り返しによる問題の構造化モデリング手法、デザイナやユーザの認知・解釈・意思決定を支援するための手法、等について概説し、システムのデザインを円滑かつ効果的に進めるための参加型システムズ・アプローチの有用性について講述する。

参加型システムズ・アプローチの実践演習,2回
実問題としての人工物のデザイン課題を取り上げ、学修した参加型システムズ・アプローチの手法を実践した結果について報告する。
成績評価の方法・観点 下記の順に考慮して決定する予定。
① 講義期間中に課す演習課題 20%程度
② 期末試験 60%程度
③ 授業への貢献(よい質問をすることなど) 20%程度
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等   
教科書
  • 授業で用いる講義ノートは、適宜配布する。 下記「参考書」参照。
参考書等
  • 1.吉川弘之 [2007] 人工物観, 横幹, 1(2), 59-65 2.Suh, N.P. [1990] The Principles of Design, Oxford University Press (邦訳:スー(翻訳:畑村洋太郎)「設計の原理? 創造的機械設計論」, 朝倉書店, 1992.) 3.吉川弘之 [1979] 一般設計学序説, 精密機械45 (8) 20?26, 1979. 4.Vladimir Hubka and W. Ernst Eder [1995] Design Science, Springer 5.Simon,H.[1996] The Sciences of the Artificial Third edition 秋葉元吉、吉原英樹訳[1999]『システムの科学』パーソナルメディア 6.H・A・サイモン[1979] 稲葉元吉・倉井武夫訳, 『意思決定の科学』,産業能率大学出版部 7.Hutchins, Edwin [1995] Cognition in the Wild. MIT Press 8.Klein, G., Orasanu, J., Calderwood, R., and Zsambok, C.E. [1993] Decision Making in Action: Models and Methods. Ablex Publishing Co., Norwood, NJ. 9.D・ノーマン[1986] The Design of Everyday Things, 野島久雄訳『誰のためのデザイン?:認知科学者のデザイン原論』、新曜社 10.椹木、河村[1981]:参加型システムズ・アプローチ―手法と応用、日刊工業新聞社ほか