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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 工学研究科 都市環境工学専攻 原子力環境工学

原子力環境工学

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科目ナンバリング
  • G-ENG03 5F461 LJ77
開講年度・開講期 2020・前期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 修士・博士
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 木2
教員
  • 藤川 陽子(複合原子力科学研究所 准教授)
  • 福谷 哲(複合原子力科学研究所 准教授)
  • 池上 麻衣子(複合原子力科学研究所 助教)
  • 芝原 雄司(複合原子力科学研究所 助教)
授業の概要・目的 地球温暖化防止への貢献が期待される原子力発電とそれを支える原子力産業の活動に伴い発生する様々な放射能レベルを持つ放射性廃棄物の種類と発生実態、それらの処理や処分について、環境工学の観点から解説を行う。前半の1~7回では、原子力の基礎的知識から主に放射性廃棄物の実態とその処理法・デコミッショニング・関連法令を中心に講義を行う。後半の8~14回では、おもに放射性のセシウム・ストロンチウム・ヨウ素やウランやプルトニウム等の元素の地水圏での環境動態および生活環境へのリスク、高レベル放射性廃棄物の処分にかかわる研究の現状、廃棄物処分の安全規制の考え方について講じる。
第15回の講義ではテーマを選定してデイスカッションを行う。
到達目標 原子力発電から発生する放射性廃棄物の処分についての実態とその問題点および原子力産業の将来あるべき姿を、正しい放射線や放射能のリスク認識に基づいて各人が適切に判断できるような知識を養う。
授業計画と内容 1.原子、核分裂、核燃料サイクル(1回)
講義の目標と構成、必要な基礎知識について概要を述べるとともに、参考図書の紹介を行う。

2.原子炉の形式(1回)
これまで建設された様々な形式の原子炉についてその開発の歴史的経緯や減速材や冷却剤、構造などの概略及びこれらの原子炉の現状について講述する。

3.放射性液体廃棄物の処理(1回)
蒸発濃縮法、イオン交換法、凝集沈殿法 etc.など放射性廃液処理に用いられている様々のプロセスについて、その概略、利点や欠点などの特徴を解説する。

4.放射性気体・固体廃棄物の処理(1回)
放射性気体廃棄物処理技術としてのフィルターによる濾過、焼却処理 etc.について解説。また、放射性固体廃棄物の処理の方法や放射性廃棄物の輸送、さらにかつて検討、実施された海洋投棄処分について解説する。

5.放射性廃棄物発生量、法令、対策(1回)
発電炉や核燃料サイクル、RI利用から発生する放射性廃棄物の種類や量についての我が国の現状、またそれらを規制する我が国の法体系について。

6.核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化(1回)
革新的研究開発プログラムImPACTにかかるトピックに関して

7.原子力防災(1回)
今後の原子力関連の分野において欠かすことのできない重要なトピックスである原子力防災に関して解説する。

8.放射能と放射線のリスク、被ばくの線量規準の考え方(1回)
放射線被ばくのユニットリスク、放射線の線量限度の考え方の歴史的変遷、状況による被ばく線量の規準の変化、について概括する。放射性物質に汚染された汚染地域への住民帰還にかかわる線量規準、放射線業務従事者の平常時・緊急時の被ばく管理,新たに導入された生涯線量について紹介するとともにそれらの根拠となった既往研究を紹介する。非放射性の環境汚染物質による健康リスクとの比較も行う。

9.福島第一原発の事故と原発の新規制基準(1回)
福島第一の事故時の周辺環境の空間線量や放射能汚染の推移と炉内事象の関連、等の情報を概括する。また、福島事故以後の原子力防災の新たな仕組み、新規制基準に対応するための既存原子力発電所での取り組みを紹介する。

10.福島第一原発事故に伴う指定廃棄物問題(1回)
放射性物質汚染対処特措法の指定廃棄物・特定廃棄物等の堆積状況、現場の実情と除染技術の紹介を行う。核エネルギー利用や放射性物質の産業・研究利用に伴い発生する旧来の放射性廃棄物の分類の考え方、インベントリや処分方法を紹介し、特措法における廃棄物と比較する。廃掃法における産業廃棄物等の処分方法との対比についても考える。

11.高レベル放射性廃棄物の最終処分と安全評価の課題について(1回)
高レベル放射性廃棄物のインベントリを紹介する。高レベル放射性廃棄物最終処分の安全確保の哲学、安全評価の方法(特にクリティカルパスと重要核種)、進行中の研究課題について解説する。福島第一事故に伴う燃料デブリの問題、ガラス固化体の処分と燃料の直接処分の比較、消滅処理の可能性、についても言及する。

12.放射性核種の環境動態と数理モデル化(1回)
放射性廃棄物の最終処分にかかわる重要核種を中心にその環境動態を論じる。放射性のセシウム・コバルト・ストロンチウム・ヨウ素・セレンやウラン・プルトニウム・ラジウム等の元素の化学的特性と地水圏での環境動態、動態の数理モデル化の方法について講じる.

13.放射性核種の環境動態と環境汚染の事例(1回)
放射性のセシウム・コバルト・ストロンチウム・ヨウ素・セレンやウラン・プルトニウム・ラジウム等の元素の化学的特性、環境動態と環境試料中でのこれら核種の測定分析方法について紹介する。さらに放射性物質による国内外での環境汚染の事例や用いられている研究手法について論じる。

14.放射線・放射性物質のリスクと社会(1回)
これまでの講義で放射性物質の特性・環境挙動・放射線のリスクについて多面的に論じてきた。一方、福島第一原発事故以降、放射性物質のリスクが社会的に注目を浴び、様々な市民が異なる立場から様々な行動を起こしている。講義ではそのような状況を概観するとともに、市民のリスク認識を規定する要因について考察し、正しい理解を促進するためのリスク情報伝達方法について考える。

15.総合討論(1回)
福島事故後の現存被ばく状況下で、どのように生活するべきか、これまでの原子力エネルギー利用に伴う廃棄物はどのように処分するのか、について総合的に討論する。
成績評価の方法・観点 前半レポート(45%)、後半レポート(40 %)と平常点(15 %)を総合して成績を評価する。
履修要件 放射線衛生工学、放射化学、地球科学に関する初歩知識
授業外学習(予習・復習)等 適宜指示する
教科書
  • とくに決めない。講義中に適宜資料(論文等)を配布。
参考書等
  • 講義中に関連図書を紹介。