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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 工学研究科 電気工学専攻 半導体ナノスピントロニクス

半導体ナノスピントロニクス

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科目ナンバリング
  • G-ENG11 5C800 LB52
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 修士
対象学生 大学院生
使用言語 日本語及び英語
曜時限 火2
教員
  • 白石 誠司(工学研究科 教授)
授業の概要・目的 スピントロニクスはいわゆるムーアの法則の限界を突破できるbeyond CMOSの有力な候補の1つとみなされ大きな関心を集めている研究分野である。豊かな基礎物理と応用可能性を有しており、対象とする材料も金属・半導体・絶縁体・酸化物と広範に渡る。本講義では関連する重要な基礎理論や実験手法を紹介しながら特に半導体を舞台とするナノスピントロニクスや純スピン流物性物理・トポロジカル物性の基礎と最新の話題の背景学理を理解できることを目標とする。
到達目標 半導体スピントロニクスや純スピン流の物理の基礎概念を正確に理解でき、基礎理論の理解に必要な計算テクニックや基本思想をマスターできるようになること。
授業計画と内容 イントロダクション(2回)
スピンの古典論的イメージは電子の自転であるが電子は素粒子であるために大きさがなく古典論的イメージは誤りである。実はスピンは真に量子力学的自由度であるが、しかし無限小回転の生成演算子でもあるがゆえに空間回転とは関連を持つ。序章としてこのような「スピン」の特性を量子論的に議論し、さらに解析力学による半古典論からのアプローチでも同様の理解に到達できることを示す。

相対論的量子力学とスピン軌道相互作用(5回)
半導体中でのスピン制御とスピンコヒーレンスの議論を理解するにはスピン軌道相互作用の理解が不可欠である。スピン軌道相互作用は相対論効果であるため、その理解に必要な特殊相対論の基礎(特に相対論的電磁気学)を学修し、相対論的運動方程式であるDirac方程式を導出する。その後スピン軌道相互作用をexplicitに導出しDirac方程式に絡んだトピックとしてグラフェンのスピン物性・ベリー位相(幾何学的位相でありスピントロニクスで非常に重要な概念である)を紹介する

3. 電気的・動力学的スピン注入と純スピン流生成の学理(6回)
半導体ナノスピントロニクスで重要な純スピン流(電荷の流れのないスピン角運動量のみの流れ)の物性と生成手法を紹介する。基礎理論の理解は非常に重要であるので、重要な論文の式の導出過程を示しながら正確な背景学理の理解に到達できることを目指す。内容はスピン拡散ドリフト方程式に基づく電気的スピン注入と輸送理論、外部磁場によるスピン操作に一例であるHanle型スピン歳差運動、磁化ダイナミクスを用いた(電流を一切用いない)スピン注入と輸送及びスピン流回路理論などである。

最近のトピックから(2回)
最近重要なトピックとなっているトポロジカル絶縁体などスピントロニクスの最新の話題をフォローしながら、位相空間上の曲率であるBerry位相などの現象の理解に重要なKubo公式の導出とホール伝導度の計算などを行う。 以上を基本的内容とするが年度によって適宜回数の増減、内容の変更がありうる。
成績評価の方法・観点 レポートなど
履修要件 学部レベルの固体物理・量子力学(簡単な解析力学を含む)の理解。更に特殊相対性理論も理解していることが望ましいので、未履修の学生は大学院講義(後期)の電磁気学特論も同時に履修すること。
授業外学習(予習・復習)等 予習はとくに必要ないが、全般に復習は重要である。 トピックに関連する論文(講義中に適宜紹介)の式のフォローを復習としてすすめるほか、計算上のテクニックや背景の物理の理解のための復習も求めたい。
教科書
  • 特に指定せず、板書・配布プリントを用いて講義する。
参考書等
  • スピントロニクス, 井上順一郎・伊藤博介著, (共立出版),
  • スピントロニクス, 宮﨑照宣著, (日刊工業新聞社),
  • 人工格子入門, 新庄輝也著, (内田老鶴圃),
  • スピンはめぐる, 朝永振一郎著, (みすず書房),
  • スピントロニクス理論の基礎, 多々良源著, (培風館),