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地殻環境工学

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科目ナンバリング
  • G-ENG01 6A405 LJ77
開講年度・開講期 2020・前期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 修士
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 水2
教員
  • 小池 克明(工学研究科 教授)
  • 林 為人(工学研究科 教授)
  • 柏谷 公希(工学研究科 准教授)
  • 木下 正高(非常勤講師)
授業の概要・目的 地殻環境工学は我々の生活と密接に関連する学問分野であり,社会基盤施設のための地下開発と利用,放射性廃棄物の地層処分,気体や液体の地中貯留,地滑り・地震などの自然災害,および地下水資源,金属・非金属鉱物資源,地熱・エネルギー資源の探査と開発,資源量評価など,地球科学・工学に関する多くの問題を対象とする。本講義では地殻環境工学で重要となるテーマとその基礎概念,工学的応用,および地殻の地質的・物理的・化学的性質を明らかにするための空間情報学的アプローチについて,研究例を紹介しながら講ずる。
到達目標 地球の一要素としての地殻の位置付け,物理・化学的性質,人類に恩恵をもたらす資源の胚胎場所としての重要性,その反対として自然災害の脅威の源であることについて十分理解する。それとともに,人類の福祉や持続可能な社会作りに貢献し得る地殻との関わり,すなわち地殻の開発・利用法や環境保全法について自分なりの方向性を見出せること。
授業計画と内容 1.イントロと水循環の基礎事項(1回)
本授業の組み立てを説明するとともに,本授業の取り掛かりとして,地球を構成する地圏-水圏-大気圏-生物圏の相互作用と物質循環,地球環境問題,資源システムについて総観し,地殻を把握することの重要性について理解を深める。【小池】

2.地球システムの化学(2回)
地殻環境工学は地球を対象とする学問分野であるので,まず地球の構造,物理,化学を理解する必要がある。そのために,一般地質・鉱物について復習し,地殻,マントル,コアを形成する岩石鉱物の化学的性質,地殻流体の化学組成,および岩石と流体との化学反応などについて講述する。また,地殻化学に及ぼす微生物の機能についても説明する。【小池】

3.地球システムの物理(3回)
地球の物質・圧力構造について復習し,地殻変動を含む地球のダイナミクスについて説明する(1回)。次に,地球の熱構造,および鉱物鉱床や石油ガス鉱床の形成にも重要となる深部地殻流体について講述する(2回)。【林,木下】

4.地球情報学の基礎(1)-地質モデリング法-(2回)
地殻の物理的・化学的性質,およびそれらの時間-空間にわたる分布を詳細に明らかにするための空間情報学的アプローチをシリーズで説明する。
まず,離散的に分布する地質情報から地質構造・物性をモデリングするための手法として,数理地質学の概要,地質データの一般的な解析法,およびバリオグラムによる空間相関構造解析について講述する。次に,クリギングによる空間データ推定,地球統計学的シミュレーション,ディープラーニングの一つであるニューラルネットワークの応用について研究例を交えながら講述する。【小池】

5.地球情報学の基礎(2)-地質構造のスケーリング-(1回)
地下を直接見ることはできないが,地形に地質,幾何学的構造,地殻変動,地殻の化学などに関する情報が現れることもある。地殻表面から深部環境を推定する手法として,地形情報と地質情報の活用,および限られた情報から広いスケール,あるいは局所的な構造を推定するための地質構造のスケーリング-ミクロとマクロを結ぶもの-などについて講述する。【小池】

6.地球情報学の基礎(3)-リモートセンシング-(2回)
地殻の物理・化学,地質構造,変動,資源探査,および環境モニタリングに関する調査法として有効なリモートセンシングについて概説する。まず,物質と電磁波との相互作用,光学センサによるリモートセンシングに関して研究・調査例を交えながら講述する。次に,マイクロ波センサによるリモートセンシングの基礎,ポラリメトリックSARによる地表物質の識別,および干渉SARによる地形解析,地殻変動解析について講述する。【小池】

7.地球情報学の基礎(4)-地化学探査-(1回)
地殻環境の把握や資源探査として,地表浅部の化学的異常を抽出・解析する地球化学的探査法について概説する。【柏谷】

8.地圏貯留機能と物質循環(2回)
地殻は長期にわたる貯留場所として利用されることがある。その代表である高レベル放射性廃棄物の地層処分と二酸化炭素の地中貯留について説明する。また,地球規模での物質循環の例として,特に最近注目されている水環境問題を例に取り,水循環のメカニズム,水の流れを支配する物理と地質的要因,流体流動のシミュレーション法,物質移行などを講述する。【柏谷】

フィードバック(1回)
レポートの評価に基づき,上記の講義内容に対して理解不足の部分を,クラシス,個別面談などによって補足説明する。
成績評価の方法・観点 各テーマで課されるレポートの評点の合計と平常点を総合し,100点満点で成績を評価する。平常点は出席状況,授業時の理解度確認クイズなどに基づいて評価する。レポート点と平常点との比率は9:1程度である。
履修要件 地質学,物理,化学の基礎知識があることが望ましい。
授業外学習(予習・復習)等 授業内容の復習のため,レポートを4,5回程度課す。課題を解くことで理解を深めること。
教科書
  • 指定しない。各授業時にプリントを配布する。
参考書等
  • 授業時に紹介する。