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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 教育学研究科 【修士】臨床教育学コース 臨床教育人間学演習I

臨床教育人間学演習I

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科目ナンバリング
  • G-EDU45 58269 SJ47
開講年度・開講期 2020・前期
授業形態 課題演習
配当学年 修士
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 水4・5
教員
  • 齋藤 直子(教育学研究科 准教授)
  • 西平 直(教育学研究科 教授)
  • Jeremy Rappleye(教育学研究科 准教授)
授業の概要・目的 『過剰な思考:ポストモダニズムと教育』を読む

本授業では、ポール・スタンディッシュ著『過剰な思考:ポストモダニズムと教育』の英語・邦訳の講読を通じて、ポスト構造主義の思想が現代社会における教育に対してもつ実践的な意義を明らかにする。デリダ、レヴィナス、リオタール、ドゥルーズを中心とするポスト構造主義思想を、エマソン、ソロー、カベルのアメリカ哲学の思想との接点と分岐をも通じて、いわゆる「ポストモダニズム」の名の下に解釈されるものよりいっそう有意義な仕方で開示することを試みる。教育哲学の分野で、ポスト構造主義の思想が論じられる際には、往々にしてそれらは、「ポストモダン」の思想のエッセンスを取り出してそれを教育に応用しようとする傾向が強い(Peters 2011; Peters and Biesta 2008)。哲学分野では、国内外ともに、ポスト構造主義についての著作は多々あるが、ポスト構造主義の思想に内在する教育の意義を開示し、そこから実践的・教育的意義につなげる本書のような著作は希少である。また。本書は、従来の哲学研究でも、教育哲学研究でも十全に引き出されることがなかった、人間形成と人間変容に関わる教育的要素をすでに内在させるものとしてポスト構造主義の思想の豊かな奥行きを明らかにし、相対主義や軽妙さ(playfulness)と結び付けられがちな「ポストモダニズム」とは区分して論じる(Standish, et.al, 1998)。同時に、現代社会における教育をめぐる実践の諸問題に対峙させることを通じて、ポスト構造主義の思想が「過剰な思考」(exceeding thought)としてもつ可能性を引き出すものである。「過剰な思考」は、反基礎づけ主義的な思想の系譜として、生活すること、生きることのあいまいさを引き受ける思考と言語の様式である。
 授業では、随時ポスト構造主義思想の原典やアメリカ哲学の原典にあたりつつ、テクスト解釈を行う。
修士論文および博士論文執筆の指導を兼ねる。
到達目標 国際学会での英語発表および国際学術誌の英語論文投稿ができるようになることを到達目標とする。それを通じて修士論文・博士論文執筆につなげてゆくことを目標とする。
難解な思想のテクストを英語と日本語の翻訳を通じて緻密に読解できるようになることを目指す。
哲学を教育実践につなげる思考様式と言語の使い方を習得する。
授業計画と内容 下記の主題を、カベルおよび関連文献の講読を通じて議論する。
(1)導入:問題提起
(2)第一章 ポストモダニズムと全人教育 
(3)第二章 ヨーロッパ、大陸哲学、教育哲学
(4)第三章 大学の精神と精神の教育
(5)第四章 透明性、説明責任、および高等教育の公的役割
(6)第五章 研究のプレ-テクスト[pre-text]:理論と執筆に関するロビン・アッシャーへの応答
(7)第六章 生活のエコノミー・新たな教育のエコノミー
(8)第七章 教育という概念
(9)第八章 専門職の規律:手続きに服するサブジェクト
(10)第九章 実質なき中心:文化資本と『廃墟のなかの大学』
(11)第十章 レヴィナスとカリキュラムの言語
(12)第十一章 自由による把捉
(13)第十二章 人間主義、反人間主義、非人間的なもの
(14)第十三章 明示的な差異
(15)フィードバック
最終レポートの構想発表、レポート・論文の書き方などの指導の時間を設け、他者との対話を通じた自己評価を通じて授業で学習した成果をさらに深め、より質の高い修士論文、博士論文を執筆できるようにする。
成績評価の方法・観点 【評価方法】
授業における議論への参加(30%)
最終レポート(70%):上記授業の目的に照らし研究計画・内容の論点に照らして、自らの研究関心と結びつけつつ論じる。博士課程学生も、博士論文執筆の一環としてレポートを提出すること。(A4シングルスペース7ページ)

【評価方針】
到達目標について、教育学研究科の成績評価の方針に従って評価する。
履修要件 難解な英語文献の読解能力を必要とする。後期開講の英語集中講義「国際合同授業I」(スタンディッシュ、齋藤)の授業の主題と連関するため、両者を連続して履修することを推奨する。
授業外学習(予習・復習)等 授業でのディスカッションの論点を準備するよう、テクストを予習する。

授業の議論を通じて課題教材を復習し、各自の論文執筆につなげる。
教科書
  • 過剰な思考:ポストモダニズムと教育, ポール・スタンディッシュ著(齋藤直子ほか訳), (法政大学出版局),