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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 7431011地理学(特殊講義)

7431011地理学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET31 67431 LJ39
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月2
教員
  • 加藤 政洋(非常勤講師)
授業の概要・目的 ドイツ人思想家であり、稀代の都市論者としても知られたヴァルター・ベンヤミンは、その断片的な書物『パサージュ論』のなかで、次のような文章を書き残しました。

かつてパリがその教会や市場によって規定されたのとまったく同様に、いまや地誌的(トポグラフィッシュ)な観点を10倍も100倍も強調して、このパリをそのパサージュや門や墓地や売春宿や駅……などといったものから組み立ててみること。さらには、殺人と暴動、道路網の血塗られた交差点、ラブホテル、大火事といったこの都市のもっと人目につかない深く隠された相貌から組み立ててみること。(『パサージュ論Ⅲ』)

ベンヤミンはここで、さまざまな都市施設に代表される物的な環境や日常生活世界、そして時に日常性に亀裂を入れる祝祭的な場や集合的記憶を喚起する場などを、地理歴史的な想像力geohistorical imaginationによって布置するという、空間論的な都市誌の方法を提示しています。
今期の地理学(特殊講義)では、前期の講義内容をふまえつつ、このベンヤミンの一文を導きにして、近現代の都市域urban areaを単なる市街地の広がりとしてではなく、たとえ幾何学的に連接する「場所」であっても、諸種の関係が交差することによって相互に差異化され、また同時に重層しているような、多様な「場所」間の連環を獲得する空間として捉え返すことで、ひとつの都市誌を実践してみたいと思います。
前期に取り上げた都市の空間構造に関する考え方をふまえながら、諸種の資料(文学作品、地図、絵図、古写真、空中写真など)を組み合わせた実践的な都市誌を展開してゆく予定です。
はたして、そこに京都はいかなる像――「都市の肖像」――を結ぶのか……。授業のなかでぜひその形姿をたしかめてみてください。
到達目標 1)近代都市/京都の空間構造を理解すること。
2)歴史的な地誌(資料)を的確に読解できるようになること。
3)歴史地理学的な景観復原の方法を身につけること。
4)隣地型授業や授業外学習(フィールドワーク)の成果を最終レポートの内容に反映できること。
授業計画と内容 ( 1)京都文学の風景
  topics:文学作品、絵図・地図、叙景の方法
( 2)絵図を読む ①
  topics:紙屋川、平野神社、紀行文・日記、名所図会
( 3)絵図を読む ②
  topics:円山、遊楽空間、料理屋、神社仏閣、境内、コスモロジー
( 4)文学と地理空間 ①
  topics:五番町、水上勉、場所イメージ、法の空間性
( 5)文学と地理空間 ②
  topics:安井金毘羅宮、愛と絶縁の空間、周縁性、京都市明細図
( 6)文学と地理空間 ③
  topics:裏寺町、ぼんや、明と暗、場所イメージ、三高生の酒場
( 7)文学と地理空間 ④
  topics:宿の立地と景観、東三本木、席貸、文学、京都法政学校
( 8)文学と地理空間 ⑤
  topics:宿の立地と景観、岡崎・南禅寺、川端康成、料理旅館
( 9)京大をめぐる〈食〉環境
  topics:第三の場所、下宿文化、飲食店
(10)文学の〈食〉をめぐる歴史地理
  topics:いもぼう、松本清張、円山
(11)近代京都における〈食〉文化の変容 ①
  topics:とり料理、食文化、店舗立地、移動する文化、立地適応
(12)近代京都における〈食〉文化の変容 ②
  topics:寿司、食文化、店舗立地、移動する文化、立地適応
(13)近代京都における〈食〉文化の変容 ③
  topics:洋食、食文化、店舗立地、立地適応
(14)場所の力
  topics:立地選好、立地戦略、立地適応、花街
(15)景観復原の可能性と課題
成績評価の方法・観点 平常点40%(小レポートなど)
期末レポート60%
履修要件 前期開講の地理学(特殊講義)を受講しておくことが望ましい。
授業外学習(予習・復習)等 授業内で紹介する地図類を必ず確認してください。

学術的な文献のみならず、文学作品・映画・小説などを紹介しますので、興味のある範囲で結構ですから、目を通しておいてください。

授業で取り上げた場所をフィールドウォークすることも推奨します。