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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 7331007社会学(特殊講義)

7331007社会学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET30 67331 LJ45
開講年度・開講期 2020・前期集中
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 集中
教員
  • 吉見 俊哉(非常勤講師)
授業の概要・目的 現代日本社会は、いまだ戦後日本の呪縛から抜け切れていない。平成時代は、その戦後日本が決定的に終わっていった「失敗とショックの30年」であったが、2020年の日本は再びオリンピックを開催することで、また2025年の日本は再び万博を開催することで、なお戦後日本にしがみつき続ける。この呪縛の力は、なぜ、どこから、どのように発生し続けているのか。そのメカニズムや磁場を、社会学的な知はいかに読み解いていくことができるのか。講師である吉見俊哉がこれまで書いてきた著作の中から、特に戦後日本やポスト戦後日本に焦点を当てた著作を選び、それらがいかなる批判的な社会学知、あるいはカルチュラル・スタディーズの知の可能性を示そうとしているのかを解説・討論していく。主な柱となるテーマをキーワード的に挙げるとすれば、(1)親米意識の形成、(2)原子力の平和利用、(3)米軍基地と若者文化、(4)東京オリンピックと大阪万博、(5)ポスト戦後と平成時代、(6)歴史の尺度の6つとなる。2020年の2度目の東京オリンピック開催にあわせ、1964年の東京オリンピックについての社会学的考察をかなりしていくつもりだが、そこでの議論は、基地の街としての六本木や原宿、ゴジラと東京タワーと福島原発、大阪万博と愛知万博、それにバブル崩壊と2つの大震災などについての議論と結びついている。
到達目標 この授業の目標は、ずばり吉見俊哉をたたきのめすことだ。もちろん、たたきのめすと言っても、物理的にではない。暴力はいけない。学問的にたたきのめすのである。参加するみなさんは、開講日までに教科書として指定した8冊の本(多くは新書か文庫)の中から2冊を読んで、その2冊の論述の間にある矛盾を見つけておいてほしい。攻撃の弾を用意しておいてほしいのである。それで、授業はこれらの本のなかで私が展開した戦後日本社会をめぐるいくつかの論点について、具体的に解説していく。学生のみなさんは、その私の授業に対して、徹底的な学問的攻撃を加えなければならない。この講師の授業のどこがダメかを批判するのである。授業参加者からの総攻撃に教師は必死に防戦するが、時には撃沈されるかもしれない。ただし、鋭い攻撃には必ず事前の周到な準備が必要であること、とりわけ文献の精密な読みと冷徹な批判力が不可欠であることをお忘れなく。この授業の到達目標は、参加者全員に、学問的な研究はどう進めなければいけないのか、どんな知的作業であるのかを自覚してもらうことである。したがって、ここで要求されているのは、決して教科書や講義についての質問ではない。あくまで一人一人が教科書や講義の内容を攻撃し、場合によってはオルタナティブな可能性を示していくことが求められているのである。参加者には、毎回の授業で教師を攻撃し続けることで、様々な著名な先行研究の弱点を突き、独自の議論を説得的に展開する訓練を積んでほしい。また、そのような批判的なまなざしを、自分自身の論文にも向けるようになってほしい。そのような理論的な訓練の踏み台に、私の著作と講義を活用してほしい。
授業計画と内容 1 論文はどうやって書くのか
2 戦後日本と親米日本の間
3 六本木と原宿は米軍基地の街だった
4 ゴジラ誕生:東京タワーはなぜこんなに破壊されるのか
5 「夢の原子力」から福島第一原発事故まで
6 ポスト戦争としての東京オリンピック1964
7 オリンピック聖火リレーの政治学
8 円谷幸吉の悲劇と「東洋の魔女」の神話
9 東京1964/ソウル1988/北京2008、そして……
10 大阪万博は「人類の進歩と調和」を目指したのか?
11 愛知万博と「自然の叡智」の限界
12 1970年代の日本とポスト戦後社会の岐路
13 平成時代:失敗とショックの30年1
14 平成時代:失敗とショックの30年2
15 歴史の尺度:16世紀から21世紀までを通覧する
成績評価の方法・観点 出席回数:30%
毎回の授業で提出する批判コメント:30%
最終レポート:40%
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 すでに述べたように、教科書として指定した8冊の中から2冊を選んで事前に読んでおくこと。そして、その2冊の論述の間にある矛盾やずれ、空隙について考えておくことが、授業前の予習としてしておくべきことである。授業では、私の講義の内容を批判する短いコメントを書いてもらう。
教科書
  • 親米と反米:戦後日本の政治的無意識, 吉見俊哉, (岩波新書),
  • 夢の原子力:Atoms for Dream, 吉見俊哉, (ちくま新書),
  • 五輪と戦後:上演としての東京オリンピック, 吉見俊哉, (河出書房新社),
  • 万博と戦後日本, 吉見俊哉, (講談社学術文庫),
  • ポスト戦後社会, 吉見俊哉, (岩波新書),
  • 平成時代, 吉見俊哉, (岩波新書),
  • 戦後の災後の間:溶融するメディアと社会, 吉見俊哉, (集英社新書),
  • 大予言:「歴史の尺度」が示す未来, 吉見俊哉, (集英社新書),
参考書等
  • 現代文化論, 吉見俊哉, (有斐閣),
  • メディア時代の文化社会学, 吉見俊哉, (新曜社),
  • カルチュラル・ターン、文化の政治学へ, 吉見俊哉, (人文書院),
  • 視覚都市の地政学:まなざしとしての近代, 吉見俊哉, (岩波書店),
  • アメリカの越え方, 吉見俊哉, (弘文堂),
  • 都市のドラマトゥルギー, 吉見俊哉, (河出文庫),
  • 知的創造の条件, 吉見俊哉, (筑摩書房),
  • リアリティ・トランジット:情報消費社会の現在, 吉見俊哉, (紀伊国屋書店),