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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 5531004宗教学(特殊講義)

5531004宗教学(特殊講義)

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科目ナンバリング
  • G-LET07 65531 LJ34
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 水4
教員
  • 杉村 靖彦(文学研究科 教授)
授業の概要・目的  田辺元の哲学的思索は、その異様なまでの凝縮度と彼固有の論理への偏愛によって異彩を放っている。田辺は西洋哲学の最前線の動向、諸学問の最新の成果を飽くことなく摂取し、歴史的現実にもそのつど敏感に反応しつつ、それら全てに自前の思索によって緊密な総合を与えるべく、生涯血の滲むような努力を続けた。彼の濃密にすぎる文章はそのようにして生み出されたものである。この凝縮体を丁寧に解きほぐし、そこに封じ込められたさまざまな展開可能性を切り出すことによって、今日のわれわれがリアルな接触をもちうるような形で語り直すこと。それが本講義の狙いとするところである。
 本年度は、ここ数年にわたって、後期の特殊講義を用いて続けてきた田辺哲学研究の締めくくりとして、最晩年の田辺哲学、すなわち「死の哲学」に属する「生の存在学か死の弁証法か」「メメントモリ」「禅源私解」といった論考と、「哲学と詩と宗教」や「マラルメ覚書」等、詩的言語に正面から取り組んだ「詩作」論を主たる題材とする。この二系統の思索を、単に同時期になされた二つの探究として並列するのではなく、両者の深い次元での照応関係を再構成し、また同時代の西洋思想の布置の中に置き直すことを目指す。それによって、田辺哲学の最終的到達点を「死者と象徴」という問題系に見てとり、その哲学的・宗教哲学的なポテンシャルを解き明かしたい。

到達目標 1.田辺哲学の生成と展開を詳細にたどることによって、難解な田辺のテクストを正確に理解し、その思想の特質を把握できるようになる。
2.一人の哲学者の思索の展開を、同時代的な思想連関の中で浮かび上がらせていくための方法論と視座を身につける。
3.日本哲学と宗教哲学についての研究を、他のさまざまなアプローチと拙速に切り離さず、問題連関や時代連関を意識しつつ多様な絡み合いの中で遂行していくことの意義と必要性を理解する。
授業計画と内容 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2,3回の授業をあてて講義する。
(「特殊講義」という、教員の研究の進展をダイレクトに反映させることを旨とする授業であるので、1回ごとの授業内容を細かく記すことはしない。また、以下の諸テーマにしても、細部については変更の可能性がある。)

1.死の問いと死者の問い:田辺の「死の哲学」をめぐる争点(第1回~第2回)
2.「死者と生者の実存共同」:「実存協同」概念の死者論的転回? (第3回~第5回)
3.「生の存在学か死の弁証法か」:ハイデガーとの最後の対決とその思想的布置(第6回~第8回)
4.「生といわじ、死ともいわじ」:決定不可能性と根源的偶然性(第9回~第11回)
5.渦動する象徴:マラルメ「双賽一擲」 と田辺哲学の到達点(第12回~第14回)
6.総括(第15回)

なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。
成績評価の方法・観点 学期末のレポートにより、到達目標の達成度に基づいて評価する。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等  初回の授業で、今学期に扱う田辺の主要テクストと参考文献を指示するので、自分の関心を引くものに目を通し、自分なりの問いを携えて授業に臨んでほしい。各回の授業の後は、その際に扱った内容を自分の言葉でまとめ直し、必要に応じて参考文献も参照しつつ、自分の思索との接点を組織的に探っていってほしい。