コンテンツに飛ぶ | ナビゲーションに飛ぶ

  • 日本語
  • English
 
現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 文学研究科 日本語授業 5231005西洋哲学史(特殊講義)

5231005西洋哲学史(特殊講義)

JA | EN

科目ナンバリング
  • G-LET02 65231 LJ34
開講年度・開講期 2020・前期
単位数 2 単位
授業形態 特殊講義
対象学生 大学院生
使用言語 日本語
曜時限 月5
教員
  • 早瀬 篤(文学研究科 准教授)
授業の概要・目的 古代ギリシア哲学を代表するプラトンは「イデア論」を提唱した人として広く認知されています。そしてプラトンの「イデア論」は、西洋哲学史に深刻な影響を与えてきたと理解されています。

しかしこのイデア論の内実については、基礎的なレベルで学者たちの同意が成立していません。そもそもほとんどの研究者は、①アリストテレスがプラトンの形而上学説を批判的に報告している箇所に依拠してそれを「イデア論」と呼び、また②イデアとはしかじかのものだという想定にもとづいてプラトンの全著作からイデア論に関する議論やそれが論じられる著作(中期著作)を抽出した上で、そのなかに典型的に見出される形而上学説をイデア論だと見做しています。しかし本講義の講師は、①と②の基本方針こそプラトンの形而上学説に関して基礎的なレベルで同意が成立しない原因だと考えます。そこで本講義では「イデア論」という用語が成立する前の段階、そしてイデア論的著作が選別される前の段階にいったん差し戻して、プラトンの全著作から形而上学説を再構築し直すことを試みます。

本年度は、昨年度の準備段階(問題の所在の把握)を基礎として、プラトン形而上学説のなかでその位置づけがあまり明確でない「大きさ」「美しさ」「正しさ」などのいわゆる「特性」(property)の身分を再考察します。そのさいに、とくに『国家』第7巻522e5-524d5の「三本の指の例」および『パイドン』95a4-107b10のいわゆる「魂の不死の最終論証」の箇所を考察の中心に据えたいと思います。
到達目標 西洋哲学史に深刻な影響を与えたプラトンの形而上学説をその基本から考え直すことを通じて、基礎的な形而上学的研究を理解し、自分でも検討できるようになること。
授業計画と内容 基本的に以下の計画に従って講義を進めます。ただし受講者の理解の程度を考慮して、必要に応じた変更を加えながら話を進めたいと思います。

第1回 イントロダクション
第2回 「イデア論」とは何か 現代の学者たちの見解
第3回 「真実在説」という解釈
第4回 プラトンの著作年代順の問題
第5回 『国家』における「三本の指の例」(1):概説
第6回 『国家』における「三本の指の例」(2):実在と属性
第7回 『国家』における「三本の指の例」(3):感覚と思考
第8回 『国家』における「三本の指の例」(4):数学的対象
第9回 『パイドン』における原因の説明 (1):概説
第10回 『パイドン』における原因の説明 (2):自然学や常識による原因説明
第11回 『パイドン』における原因の説明 (3):善による原因説明
第12回 『パイドン』における原因の説明 (4):形相による原因説明
第13回 特徴づけられた状態と特性
第14回 ソクラテスの「何であるか」の問い
第15回 まとめ
成績評価の方法・観点 期末レポートによって評価します。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 授業内で参考書目を指示し、必要な資料を配付しますので、必要に応じて予習をして講義に臨んでください。
参考書等
  • 藤澤令夫著作集2:イデアと世界, 藤澤令夫, (岩波書店),