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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 理学部 数学教室 非線型解析入門 非線型解析入門

非線型解析入門 非線型解析入門

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科目ナンバリング
  • U-SCI00 22108 LJ55
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 2回生以上
対象学生 学部生
使用言語 日本語
曜時限 木2
教員
  • 坂上 貴之(理学研究科 教授)
授業の概要・目的 さまざまな現象を理解するには,対象となる現象を構成する数多くある要素の中から特に注目したいいくつかの量を抽出して,その関係を数学的に記述することが有効である.このような手法は「数理モデリング」と呼ばれ,現在知られている多くの微分方程式などはこうした考え方に基づいて導出されたものである.一般に導出された微分方程式は非線型であることが多く,その厳密解を求める一般論も存在しないため,そのモデルの特徴をうまくとらえて解析を行う必要がある.本講義では,いくつかの具体的な現象をとりあげて,それに対する数理モデルの導出および得られた方程式に対する非線型解析手法に関する入門的内容を扱う.

基本的な講義のスタイルは,対象となる現象に対して,
(1) モデルの導出
(2) モデルの解析に必要となる数学理論(定義・定理・その応用など)
という流れで現象と数学の双方の理解を深める.また,数値計算結果の紹介や数値計算をする課題を入れるなど,計算機の利用を促すことにも配慮する.
到達目標 具体的な現象の数理モデルの導出の背景にある数学的な構造やその解析に必要な手法の習得を通じて,諸現象を理解するための数理モデルの構築の手法やその考え方,解析に必要な数学的手法について理解し,それを具体的な問題の解析に適用できるようになる.
授業計画と内容 以下の現象の数理モデルから6項目をとりあげ、合計15回の授業(フィードバックも含む)を行う.取り上げる項目は担当者によって異なることがある.

(a) 古典力学のモデル(1~2週)
単振子の運動方程式:エネルギー保存則,解と振り子の運動との対応(平衡点,周期軌道,homoclinic 軌道)について解説する

(b) 工学に現れるモデル(2週程度)
簡単な電気回路の状態を記述する van der Pol 方程式:周期解の存在と一意性について解説する

(c) 生物学に現れるモデル(2週程度)
個体群生態学の問題から導かれるロジスティック方程式とLotka-Volterra 方程式:平衡点の安定性と線型化安定性,および相平面解析について解説する

(d) 気象学に現れるモデル(2~3週程度)
熱対流の問題から導かれるLorenz方程式:平衡点の分岐とカオスについて解説する

(e) 非線型波動に現れるモデル(2~3週程度)
非線形波動を記述するKdV方程式・Burgers 方程式:ソリトン解・衝撃波解・進行波解・Cole-Hopf 変換について解説する

(f) 流体現象に現れるモデル(3~4週程度)
・航空機翼まわりの流れを記述する二次元非圧縮Euler方程式:函数論,調和方程式,ポテンシャル流,翼理論について解説する
・流体中の微小生命体の運動を記述する二次元Stokes方程式:函数論,重調和方程式,微小生命体の運動について解説する

(g) 変分法のモデル(3~4週程度)
極小曲面など最適化問題:オイラー・ラグランジュ方程式,極値の必要条件と十分条件,制約つき最小化について解説する

(h) 生物学や材料科学のパターン形成のモデル(3~4週程度)
ランダムウォークと拡散,フーリエ級数による解法,非線型反応拡散方程式,定常解の安定性について解説する
履修要件 本講義の理解のために,微分積分学A・B(講義・演義)および線形代数学A・B(講義・演義)の履修を強く推奨する.また,微分方程式続論IIおよび関数論を履修することは理解の助けとなる.
授業外学習(予習・復習)等 講義の復習を促すように配慮する.