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現在位置: ホーム ja シラバス(2020年度) 経済学部 専門科目Ⅰ 組織経済論

組織経済論

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科目ナンバリング
  • U-ECON00 20707 LJ43
  • U-ECON00 20707 LJ44
開講年度・開講期 2020・後期
単位数 2 単位
授業形態 講義
配当学年 2-4回生
対象学生 学部生
使用言語 日本語
曜時限 水2
教員
  • 菊谷 達弥(国際高等教育院 准教授)
授業の概要・目的  「組織」の分析は永らく経営学の独占物でしたが、本授業では、近年急速に発展した「契約理論」(情報の経済学やゲーム理論の一分野)と呼ばれる経済学の理論的成果にもとづいて講義します。キーワードは「情報の非対称性」です。例えば、企業は、新規に採用しようとする学卒者の質について完全には知ることができません(雇用契約「前」の情報非対称性)。また、雇用主は、従業員の働きぶりを完全にはモニターできません(雇用契約「後」の情報非対称性)。こうした「情報の非対称性」が存在するとき、そのままでは取引はうまく行きません。この問題に対処するような採用方法・雇用契約とはどのようなものかを考えるのが契約理論です。この立場では、「組織は契約の束である」と考えます。
 けれども、さらに複雑な状況にあれば、そもそも最初に、将来を見越した契約が結べない場合(結ぶコストが非常に高い場合)、あるいは事後に生じた事態に合わせて契約が結び直される場合があります。このようなときに、メンバー間の取引はどうなるかについても分析します(不完備契約の理論)。このとき、契約の不完全性という穴を埋めるものとして、経済制度の重要性がクローズアップされます。また、取引が繰り返される状況では、将来の利益を見越して、不完全な契約でも機会主義的な行動が抑えられます。
 このように、情報の非対称をキー概念に、組織や制度のあり方を解明することが授業の目的です。
到達目標 ・契約理論の基礎を理解すること。
・情報の非対称性によってもたらされる問題と、その問題が、インセンティブをうまく設計することによって次善的に解決できることを理解すること。
・組織における実際の問題の分析に契約理論が応用できること。
授業計画と内容 以下のような諸問題を分析します。
【第1回】
組織はなぜ存在するかの問題:「市場と組織は取引の様式が違うだけ」
 組織の存在を取引費用から考える。
【第2回~3回】
コーディネーション問題:「アリさんとアリさんがコッツンコしないためには」
 組織を情報処理機構の側面からとらえ、組織構造を分析。
【第4回~7回】
アドバース・セレクション問題:「プディングの味は食べてみなければわからない」
 財の品質・労働者の質が事前にわからないとき、それを需要する際に生じる問題を分析。
【第8回】
不確実性の問題:「リスクのある世界をリスクのない世界に変換するには」
 確率的に表現されるリスクの扱い方を説明し、次回以降への準備とする。
【第9~12回】
モラル・ハザード問題:「見張りのいないときに誘惑に勝てるか」
 自分の行動が完全には相手に知られない時、どのような行動をとるか。相手はそれを織り込んで、どのような契約を結ぶか。(以前はプリンシパル・エージェント問題と呼ばれた)
【第13~15回】
不完備契約の問題:「ホールドアップ!」
 最初の契約が守られず、事後的に、取引相手のあいだで再交渉が起きるとき、どのような問題がおきるか。繰り返しゲームを応用すればどのように考えられるか。
成績評価の方法・観点 1~2回程度のレポート提出、期末試験。
履修要件 特になし
授業外学習(予習・復習)等 経済新聞や経済雑誌等を通じて実際の経済的問題に接し、理論がどのようにそれらの理解に役立つかを考察すること。
レポートの作成においては、理論が実際問題にどのように応用できるかを考えること。
参考書等
  • 組織の経済学, ミルグロム=ロバーツ, (NTT出版),
  • 戦略的思考の技術ーゲーム理論を実践する(中公新書), 梶井厚志, (中央公論社),
  • 戦略的思考をどう実践するか-エール大学式「ゲーム理論」の活用法, デキシット=ネイルバフ, (CCCメディアハウス),
  • 比較制度分析・入門 , 中林真幸・石黒真吾編, (有斐閣),