京都大学国際シンポジウム「自然は考えるのか?」

「生物の感性的知」“Sensitive Intelligence of the Living” 基調講演「Japanese Concepts on the World of Living Things」 京都大学 総長

(フランス語同時通訳について)
Merci d’écouter le résumé simultané en français.
This is a simultaneous interpretation. Please treat it as an overview.
音声は同時通訳です。概要としてお聞きください。

講義詳細

年度
2019年度
開催日
2019年6月06日 から 6月08日
開講部局名
文学研究科
使用言語
日本語
教員/講師名
山極 壽一(京都大学 総長)
開催場所
ユネスコ パリ本部(6月6日、7日)、パリ日本文化会館(6月8日)

趣旨
人間をとりまく環境は、地球規模的にもはや楽観視できる状態にはない。人間は自然との付き合い方を根本的に見直すべき時にきている。フランスの風土学者(Specialist of the Studies of Human Milieux)・Augustin Berqueが「自然は考えるのか?」という奇妙な問いを、シンポジウムのテーマとして発案した。シンポジウムは、人間が優位に立つ西洋の近代的な自然観を再検討することを目的とする。25~30名の諸分野の研究者(人類学、風土学、哲学、仏教学、人間環境学、霊長類学、農学、海洋学、法学、美術史学等)、および自然に対面し自然と共創する実践家(写真家、カキ養殖家)が集い、人間と自然、生物、植物、それらの関係性、生命、環境という一連の問題について、間文化的、学際的に議論する。

目的と内容
自然と人間の関係に関する最先端の学術的研究を進める研究者、および自然と人間の関係を表現する実践者を集め、①「風土と環境」、②「自然を語る、表現する」、③「生物の感性的知」という三つのサブタイトルのもと、日仏間の議論を実現させる。
議論の一つの要と重要な目的は、京都大学や京都学派に縁の研究(今西錦司の自然学、西田幾多郎の生命の哲学、和辻哲郎の風土、田辺元の種の論理、等)に基づく自然観をフランス側に紹介し、それが「自然と人間の関係」の現実的問題にいかに有効に貢献し得るかを示すことにある。

「風土と環境」 “Milieu (Fūdo) and Environment”
人間同士の共存、人間と生物の共存に焦点を当て、それらの関係性の理論や創造性について検討し、さらに人間中心主義がもたらしてきた問題を把握する。
「自然を/が語る、表現する」 “Representations of Nature, and Spokesperson for Nature”
人間の生活は表現に満ちているということを確認した上で、庭園、建築、景観、絵画などにおける自然を表現すること、自然が表現することの意味を探る。また、人間に対する自然の破壊力についても検討する。
「生物の感性的知」 “Sensitive Intelligence of the Living”
生物の進化、人間の起源、伝統・歴史・文化という観点から、生きるものの様々な知について考え、これらの知と科学的知を比較検討する。

PAGE TOP