経済学のための数学

授業の特色
経済学修士課程のコアコース(ミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学)に必要な数学をカバーすることを目的とする.数学の内容のみならず,数学がいかに経済学にされるかをも学びとってほしい。

授業の紹介
本講義の目的は,経済学に必要な数学の基礎を学びとり,経済学への応用に十分となる水準まで理解を深めることにある.特に証明などを精確にたどり,命題を厳密に検証できることも大事だが,学んだ手法を経済分析に活用できるようになることも同様に重要である.前半部では,原が,非線形最適化問題に必要な多変数関数の微分,線形代数,凸解析を講義する.後半部分では,小佐野が,動学的最適化問題,確率過程の最適制御問題,リアルオプションを講義する.講義で触れられる個々のトピックは比較的平易であるが,カバーするトピックが多いため,講義全体としては難しい.また,毎週宿題が課される.試験は2回,原が担当する前半部終了後と,小佐野が担当する後半部終了後に行われる。

講義詳細

年度
2008年度
開講部局名
経済学研究科
教員/講師名
小佐野広(教授)
原千秋(教授)

シラバス

開講年度・開講期 夏学期開講 配当学年 学部3,4回生および大学院生対象
曜時限 週2回
教員
小佐野広 教授
原千秋 教授
授業計画と内容
前半部では,原が多変数の微分・線形代数・凸解析・静学的最適化・動学的最適化に関する数学的基礎を,この順で網羅する.後半部では,小佐野が,動学的最適化で多用される数学的テクニックを紹介する.特に,積分や確率論,確率過程などは後半部で説明されるであろう。

  • 第1回 連続関数 Continuous functions

  • 第2回 偏微分と方向微分 Partial derivatives and directional derivatives

  • 第3回 全微分 Total derivatives

  • 第4回 テイラー展開とオイラーの定理 Taylor expansion and Euler's theorem

  • 第5回 線形独立性 Linearly independence

  • 第6回 行列式 Determinants

  • 第7回 固有値と固有ベクトル Eigenvalues and eigenvectors

  • 第8回 正方行列の対角化 Diagonalization of square matrices

  • 第9回 対称行列と定符号性 Symmetric matrices and definiteness

  • 第10回 凸集合 Convex sets

  • 第11回 分離超平面定理 Separating hyperplane theorem

  • 第12回 クーン・タッカー条件 Kuhn-Tucker condition

  • 第13回 包絡線定理 Envelope theorem

履修要件
各回の授業体制
各回の講義は,板書に基づく伝統的な形式で行われるが,毎回講義ノートを持参すること.講義の最中には臆せずに質問してほしい.また,毎週課せられる宿題にもまずは独力で取り組んで欲しい。
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