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現在位置: ホーム ja 全学共通科目 (〜2010年) 創造性とは何か? シラバス

シラバス

創造性とは何か?これが本講義のテーマである。これはまた人類にとって、極めて魅力的であり、そのために永遠のテーマとも言える。実際に湯川秀樹も、このテーマを生涯のテーマとして探究した一人である。そして、こうしたテーマに対する有効なアプローチとして、東洋の英知の重要性・必要性を熱心に主張し続けた。いわゆる西洋的な自然科学を探究していた湯川がその創造的な発想の根底として、東洋に目を向けていたことは特筆に値する。この教訓から、東洋の英知と西洋の知識をいかにして統合していくかが問われることは自明である。本講義の目的は、単なる客観的な知識を提供することではない。そうではなく、一般的で客観的な知識が個人的で主観的な体験を通して、いかにして再構成されるかを各自が納得して自得できることを目指す。知識とは、単なるデータベースに蓄えられている情報の残骸ではない。知識とは、私たち人類の絶え間ない活動を通して、常に再構成され続けている動的過程なのである。新発見すなわち創造性の発現とは、従って、未知なる知識の断片の発見ではなく、既知である知識の大胆な再構成なのである。こうした観点に熟知することは、自然科学・社会科学・人文科学などのあらゆる科学を学ぶ上で、必要不可欠である。

参考までに、村瀬雅俊のホームページは以下のアドレスにて公開している。
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/%7Emurase/

理解するという方法には、2つの側面がある。1つは、皆さんもよく熟知している客観的な理解である。これは、見ている対象とは独立に観測者があることを前提としている。その独立性故に、私たちは普遍性について議論できると考えている。自然科学は、こうした客観的な世界観を緻密に体系化してきた学問であることは、言うまでもない。いま1つの方法は、主観的かつ体験的な理解である。対象そのものになりきることによって、その本質を捉えようとする方法である。武術・芸術などでは、書物の客観的知識とは別に、失敗と成功を繰り返すことによって、熟知していくということはよく知られている。前者は、西洋的であると言われ、後者は東洋的であると言われる。心理学者ユングは、前者を外向タイプ、後者を内向タイプと呼んだ。創造性を探究するということは、実はこの2つの方法を統合することに他ならない。

具体的には、村瀬雅俊著『歴史としての生命-自己非自己循環理論の構築』(京都大学学術出版会、2000年)を参考文献とするが、その後の発展も取り入れながら「創造性とは何か?」に関する基礎的理解が得られるよう計画したい。 昨年は、「生命とは何か?」と題して講義を開講した。その詳細は、以下に公開している。
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/general-education-jp/what-is-life
本年度も、この講義計画を参考にして欲しい。

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2007年10月には、「生命とは何か?湯川のこれから100年の夢」と題して、村瀬雅俊が国際会議を主催した。 その詳細は、以下のアドレスで公開している。
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/%7Eny2007/Menu.html

本国際会議では、88名の参加登録者数のうち、19名は外国からの招待者であった。討論したテーマは、生命の起源から分子生物学、発生生物学、認知科学、複雑系生命科学、心理学、環境臨床医学、宗教学、計算機科学にいたるまで実に広範におよぶ。また、この会議には、その年の前期に受講していた学部生5名の参加・協力も得た。本学での教育・研究が有機的に統合するよい機会となったことは、いうまでもない。

本年の講義でも、こうした経験を踏まえながら、さまざまな観点から多くのテーマにまたがる創造性という共通の問題を切り出していきたい。

斬新な意見交換に向けて、みなさんとの議論の時間も十分に持ちたい。

理系・文系を問わず、受講意欲をもつ学生を広く募集する。昨年度の受講学生の感想は、以下のアドレスにて公開している。
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ocw/general-education-jp/what-is-life/pdf/oete.pdf

基本的には、受講希望者全員の受け入れを前提にしているので、その方向で各自の受講計画を立てて欲しい。

参考図書は、以下のアドレスにて公開している。
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ocw/general-education-jp/what-is-life/reference