生体リズムと健康

授業の特色
生体リズムとうまく共存し健康な生活を営むためには、生体リズムを知ることが大切です。生体リズムの性質を学習し、実生活で実践できるよう基礎知識まで習得することを目標としています。

 

授業の紹介
ヒトを含めた地球上に生息するあらゆる生物は様々な周期の生体リズムを持って生活しています。その中でも特に概日リズムに関する研究は盛んに行われており、その一連の研究から概日リズムは私たちの日常生活での行動パターンや健康と密接に関連していることが明らかとなってきました。私たちの生活には24時間社会が定着しその結果、様々な恩恵を受けていますが、その一方で昼夜変化の乏しく生体リズムに逆らった生活で生体リズムは乱れ、これまでに見られなかった様々な生体リズム障害が問題となってきています。概日リズムは心身の健康のみならず、認知能力、作業能率など精神神経系にも重要であることから、生体リズムにとって最適な生活環境下で生活することが望ましいことは言うまでもありません。この講義は全学共通科目として専門的知識がなくても受講できるように構成されています。

講義詳細

開講部局名
全学共通科目
使用言語
日本語
教員/講師名
若村 智子(准教授)

シラバス

授業計画と内容
まず講義の第1回目から第7回目を通して生体リズムの基礎的な知識を学びます。続く第8回目から13回目では応用編として生体リズム学視点と生活環境学的視点から健康な生活を営む方法、及び生体能力を最大源に発揮する工夫について概説します。

第1回 生物時計
第2回 概日リズムと光環境
第3回 概日リズムとメラトニンホルモン
第4回 概日リズムと深部体温
第5回 睡眠とメラトニンホルモン
第6回 睡眠と体温調節
第7回 睡眠と加齢
第8回 睡眠と事故
第9回 時差飛行
第10回 交代性勤務
第11回 季節性感情障害
第12回 生活環境と睡眠
第13回 スポーツと生体リズム
第14回 増加する睡眠障害に悩む人々

各回の授業体制
国内外の関連領域の専門家を招いて生体リズムの基礎的な知識、生体リズム学視点と生活環境学的視点から健康な生活を営む方法について、及び生体能力を最大源に発揮する工夫について概説します。興味のある学生には講義内容を実践してもらうなど、演習的な要素も織り交ぜながらインタラクティブな講義を展開したいと思っています。
教科書・参考書等
参考文献
[1] 「時間生物学の基礎」 裳華房 (富岡憲治 井上慎一 沼田英治)

[2]「脳と遺伝子の生物時計―視交叉上核の生物学」 共立出版 (井上慎一)

[3]「生物時計の謎をさぐる」 大月書店 (John D. Palmer 原著、小原孝子 翻訳)

[4]「ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか? 脳と体がよみがえる!「睡眠学」のABC」講談社 (William C. Dement 原著, 藤井留美 翻訳)
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