造園学実習Ⅱ

授業の特色

ランドスケーププランニングの必須ツールである地理情報システム(GIS)とリモートセンシング(RS)ソフトを実践的に習得します。コンピューターの中で何が起こっているのかを理解し、応用できる知識を身につけます。

授業の紹介

ランドスケーププランニングの実務と研究に活用することを念頭に、GISとリモートセンシングソフトの実習を行います。GISの定義、用語の説明から、データのダウンロードや作成の方法、分析手法について段階的に学び、約6回の実習と講義でGISの必須技術と知識をマスターします。さらに、約5回の実習と講義を通して、リモートセンシングの定義、概要の紹介から、カラー合成、植生リモートセンシングの基本、フィルター演算、データ変換について学びます。期末課題には各自の自由な発想を具体化し、「野生生物生息地の保全状況を分析するための新しい手法」を提案します。期末課題のねらいは、自分の発想を具体化する中で、ソフトの機能を体験的に理解し、応用できる力を身につけることです。期末課題には約4回の実習を費やし、ソフトの技術面だけでなく、効果的なプレゼンテーション方法についても指導します。

講義詳細

年度
2007年度
開講部局名
農学部
使用言語
日本語
教員/講師名
森本 幸裕(農学研究科 教授)
今西 純一(地球環境学堂、農学研究科両任 助教 )

第1回 ガイダンスの後、GISとリモートセンシング(RS)の概要についての講義があります。実習ではポリゴンの作成とその分析の方法について学習します。
第2回 GISデータの基本構成要素、とくに専門用語の定義について講義を行います。実習ではラインとポイントを作成し、その分析を行います。
第3回 ポイントデータの補間について解説を行います。実習ではxy座標データからポイントを作成し、いろいろな補間方法を試します。
第4回 ジオリファレンスとは何か、座標系、楕円体、投影法について説明を行います。実習では座標系の変換方法などについて学習します。
第5回 ベクターとラスターデータの特徴について講義を行います。実習ではラスターデータへの変換の方法や、ラスターデータの分析について学習します。
第6回 データソースの場所とダウンロードの方法について説明します。実習では、50m標高メッシュデータを用いて、斜度や斜面の向きなどの計算を行います。
第7回 米国GAP分析プロジェクトの紹介を行います。期末課題の説明を行い、準備を始めます。
第8回 リモートセンシングの基礎について講義を行います。実習ではRGBカラー合成の方法について学び、さまざまなカラー合成の違いを比較します。
第9回 植物のスペクトルの特徴、植生指数など植生のリモートセンシングなどについて説明します。実習ではNDVI等の指数を求めます。
第10回 フィルター演算の仕組みと種類について講義した後、実習でさまざまなフィルター演算を実行し、結果を比較します。
第11回 コンピューター内部におけるデータの保存形式について説明します。実習ではGISとRSソフト間でデータをやりとりする方法について学習します
第12回 期末課題の準備を行います。
第13回 期末課題の準備を行います。
第14回 期末課題の発表を行います。

シラバス

教員
森本 幸裕(農学研究科 教授)
今西 純一(地球環境学堂、農学研究科両任 助教)
授業計画と内容
造園学実習 I で習得した基礎知識や技術を応用し、地域スケールでのランドスケープ・プランニング実践に必要な知識・技術の習得を目的とする。地理情報システム等の利用方法を学ぶとともに、景観および生態系保全計画の事例調査や分析をとおして手法を学びとり、更にそれを応用して想定地域に対する計画策定を試行する。

1.ランドスケープ・プランニングの実践に必要な知識の習得
・プランニングのプロセス。
・情報処理、地理情報システム(GIS)およびリモートセンシングの基礎。

2.ランドスケープ・プランニングの実践に必要な技術の習得
・GISおよびリモートセンシングソフトの利用方法。

3.ランドスケープ・プランニング事例の調査分析
・国内外の事例についての調査。
・調査結果の分析と各事例におけるプランニング手法の評価。
・分析結果のプレゼンテーション。

4.課題製作
・ランドスケープ・プランニングに関する課題の設定。
・課題を解決するための評価手法のフレームワークづくり。
・GIS等を用いた評価と結果のプランニングへの応用。
・まとめとプレゼンテーション。

その他
関連する文献や最近の計画事例などをとりあげる。
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