農産物性科学

授業の紹介
近年の食の安全、安心にはさまざまな計測・分析技術が導入されている。本講義では特に、対象物が農産物や食品の場合を想定し、対象物の音響特性、生化学的特性、光学特性について学ぶ。さらに実際の事例を元にセンシングシステムの構成や得られる情報の処理方法について学び、食の安心・安全に資する技術ならびに今後求められる農産物・食品の情報について考える。

授業の特色
農産物等の生物は、工業製品と比べて複雑な計測対象物である。そのため、農産物は外力や電磁波等に対してさまざまな応答を示す。特に本講義は、食の安全や安心のために必要な、さまざまな食品や農産物検査の技術と関連付けて習得する事を特色とする。

講義詳細

年度・期
2012年度・後期
開講部局名
農学部
使用言語
日本語
教員/講師名
近藤 直(農学研究科)
小川 雄一(農学研究科)

シラバス

開講年度・開講期 2012年度 後期 授業形態 講義
対象学生 3回生 曜時限 火1
教員
近藤 直 (農学研究科)
小川 雄一 (農学研究科)
授業の概要・目的
第1回 本講義の目標、進め方および評価の仕方についてのガイダンスを行う。
第2回 食を取り巻く環境について広く学ぶ。
第3回 昨今の問題を取り上げ、食の安全・安心を守るための技術について考える。
第4回 振動・音響の基礎を学ぶ。
第5回 農産物の持つ振動特性を利用した検査法を理解する。
第6回 電磁気学の基礎を学び、導電率、誘電率について理解する。
第7回 生体組織の周波数特性を理解し、品質評価法を学ぶ。
第8回 水分や鮮度評価の原理と実際を学ぶ。
第9回 マイクロ波の特性と食品加工への応用を学ぶ。
第10回 光の基礎を理解し、物質への吸収や反射のメカニズムを学ぶ。
第11回 さまざまな照明・計測技術について学ぶ。
第12回 X線の特性とその計測技術について理解し、農産物検査応用について学ぶ。
第13回 蛍光や可視画像を用いた検査技術について学ぶ。
第14・15回 これまで学んだ知見を元に、これから必要となる食品・農産物の検査について発表し議論する。
第16回 期末試験
授業計画と内容
1.農産物・食品検査の実際と今後
・食料生産が抱える諸問題(高齢化、多様化、環境問題、グローバル化)
・食の安全・安心(さまざまな事件・事故、検査体制および検査法)
・今後必要となる技術とは何か?

2.音響・振動特性
・振動学の基礎
・音響学の基礎
・農産物内の振動

3.電磁気学的特性
・電磁気学の基礎(導電率、誘電率)
・利用例(有機酸、塩類濃度、生体電気インピーダンス、水分計測、密度計測)
・マイクロ波利用

4.光学特性
・X線から可視領域を用いた農産物計測の原理と応用

5.生化学的特性
・農産物や食品の化学変化
・味の定義と計測方法
・香りの定義と計測方法

6.次世代の農産物評価技術を考える
[授業スケジュール]
第1回 ガイダンス(講義概要説明)
第2回 農産物・食品検査の実際(1)
第3回 農産物・食品検査の実際(2)
第4回 音響・振動学の基礎
第5回 音響・振動法による検査
第6回 電磁気学の基礎
第7回 電磁気学的特性を利用した検査(1)
第8回 電磁気学的特性を利用した検査(2)
第9回 マイクロ波
第10回 光学特性(1)
第11回 光学特性(2)
第12回 光学特性を利用した検査(1)
第13回 光学特性を利用した検査(2)
第14回 次世代の農産物・食品検査を考える(1)
第15回 次世代の農産物・食品検査を考える(2)
第16回 試験
履修要件
「生物機械計測学」、「制御工学」、「電気電子工学」等の履修をしている事が望ましい。
教科書・参考書等
[教科書]
農産物性科学(2), 近藤 直 (コロナ社) ISBN: 978-4-339-05230-5
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