遺伝学

講義詳細

年度
2013年度
開講部局名
農学部
使用言語
日本語
教員/講師名
遠藤 隆(農学研究科教授)

シラバス

開講年度・開講期 2013 対象学生 1, 2回生
教員
遠藤 隆(農学研究科教授)

授業の概要・目的
遺伝 (inheritance) とは遺伝情報すなわち遺伝子 (gene) が親から子に伝わることであり、ヒトを含むすべての生物にとって最も重要な事象である。遺伝の仕組みや物質的基礎を明らかにする学問分野である遺伝学 (genetics) は、理系・文系を問わず、社会常識として学ぶべき科目である。また、遺伝病の遺伝子治療や遺伝子組換え食品が現実となっている現在、それらにどのように対応するかの判断に際し、正しい遺伝の知識は不可欠である。本授業では、入学試験で生物学を選択しなかった学生でも遺伝学の基礎を学べるように、生物学の基礎知識から講義する。

第1回 「遺伝学」概括と授業のガイダンス
第2回 細胞の分裂:高等生物の二つの細胞分裂、体細胞分裂と減数分裂について解説する。
第3回 メンデルの遺伝の法則:メンデル以前の遺伝学説とメンデルの遺伝法則を解説する。
第4回 メンデル遺伝学の発展(1):単純なメンデル遺伝をしない複雑な遺伝の仕組みを解説する。
第5回 メンデル遺伝学の発展(2):単純なメンデル遺伝をしない複雑な遺伝の仕組みを解説する。
第6回 遺伝子の集合体としての染色体(1):染色体を構成するDNAとタンパク質の分子的構造を解説する。
第7回 遺伝子の集合体としての染色体(2):染色体の構造と機能を解説する。
第8回 染色体の数の異常:ヒト及び植物の染色体の数の異常を解説する。
第9回 染色体の構造の異常:ヒト及び植物の染色体の構造の異常を解説する。
第10回 遺伝子の異常:遺伝子の分子構造と突然変異の分子的原因について解説する。
第11回 染色体地図:遺伝子が染色体上にどのように配列しているかを明らかにする方法について解説する。
第12回 ゲノム:生物種の全遺伝情報である基本的単位であるゲノムを核ゲノムとオルガネラゲノムに分けて解説する。
第13回 倍数体:複数のゲノムを持つ倍数体の分析方法と人為的育成法について解説する。
第14回 染色体の操作:植物における染色体操作について解説する。
第15回 遺伝子の解析:遺伝子の本体であるDNAの解析方法について解説する。
授業計画と内容
1.「遺伝学」概括と授業のガイダンス
2.細胞の分裂:高等生物の二つの細胞分裂、体細胞分裂と減数分裂について解説する。
3.メンデルの遺伝の法則:メンデル以前の遺伝学説とメンデルの遺伝法則を解説する。
4.メンデル遺伝学の発展(1):単純なメンデル遺伝をしない複雑な遺伝の仕組みを解説する。
5.メンデル遺伝学の発展(2):単純なメンデル遺伝をしない複雑な遺伝の仕組みを解説する。
6.遺伝子の集合体としての染色体(1):染色体を構成するDNAとタンパク質の分子的構造を解説する。
7.遺伝子の集合体としての染色体(2):染色体の構造と機能を解説する。
8.染色体の構造の異常:ヒト及び植物の染色体の構造の異常を解説する。
9.染色体の数の異常:ヒト及び植物の染色体の数の異常を解説する。
10.染色体の操作:植物における染色体操作について解説する。
11.遺伝子の発現( 転写、遺伝暗号と翻訳):遺伝情報にしたがってタンパク質が作られる過程を解説する。
12.遺伝子発現の調節:遺伝子発現調節の仕組みを解説する。
13.遺伝物質の変化:突然変異とDNA修復の機構について解説する。
14.ゲノムの構造と反復配列:DNAから見た染色体の構造とトランスポゾンについて解説する。
15.総合討論
成績評価の方法・観点
学期末の試験のみによる。60-69点:可、70-79:良、80以上:優。 試験に際しては、紙媒体の資料は持ち込み可。

履修要件
高校で生物学を履修していることが望ましいが、必須ではない。

教科書・参考書等
[教科書]
教科書は使用しない。

[参考書等]
『エッセンシャル遺伝学』(培風館)
『植物遺伝学入門』(朝倉書店)
J. F. クロー『遺伝学概説』(培風館)
R. H. タマリン『タマリン遺伝学(上,下)』(培風館)
オープンコースウエアの資料を使うので、毎時間、印刷したものを持参すること。詳細は最初の講義の時間に説明する。
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