情報メディア工学特論
授業の特色
可視化処理の基本技術の講義とシステム開発実習を通じて可視化技術を効果的に理解することができる
授業の紹介
本講義では、可視化対象となるデータの分類と数値補間技術について基本事項を理解させ、それらのデータに対する可視化処理について習得させる。さらにシステム構築技法についての概要を説明した上で可視化システム開発の基本を理解させ、基本グラフィックスライブライリを使用した可視化システムプロトタイプの開発を経験させる。
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- 第1回 ボリュームコミュニケーションについて説明し本講義への学びの動機付けを与える
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- 第2回 スカラデータ向け可視化技術として等値面生成アルゴリズムについて説明する
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- 第3回 ボリュームレンダリング技術の基礎となる散乱方程式を説明し、その数値解法を理解させる
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- 第4回 テンソルデータからベクタデータの変換について説明し、ベクタデータに対する代表的な可視化手法である流線表示手法について理解させる
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- 第5回 人物映像データからボリュームデータを生成することを目的として,多視点カメラとPCクラスタを利用した3次元形状復元技術を説明する
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- 第6回 グループ対グループのコミュニケーションを支援するために開発した多視点映像実時間表示システムについて説明する
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- 第7回 ベクタデータにおいて特異点を探索し、分類する手法について説明する
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- 第8回 特異点グラフを用いて等値面表示を高速化する手法に説明する
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- 第9回 UMLを使ったオブジェクト指向システム開発技術について簡単な販売管理業務を例にとり説明を行う
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- 第10回 可視化システムにおける基本オブジェクトについて説明する。また実装レベルで利用するグラフィックスライブラリであるOpenGLについて解説を行う
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- 第11回 UMLを使って等値面表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う
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- 第12回 UMLを使ってボリュームレンダリング表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う
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- 第13回 UMLを使って流線表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う
講義詳細
- 年度・期
- 2004年度・後期
- 開講部局名
- 工学研究科
- 使用言語
- 日本語
- 教員/講師名
- 小山田 耕二(教授)
シラバス
対象学生 | 修士課程 | ||
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授業計画と内容 | 可視化技術の基礎(3回) 可視化技術の歴史を概観し、その対象となるデータの分類・データに対する基本処理技術について説明する。3次元空間で定義される数値データであるボリュームデータの可視化に関して、スカラ・ベクタ・テンソルデータに対応した可視化技術について解説を行う。 ボリュームデータ生成手法(1回) 計算環境・リアル環境のそれぞれからボリュームデータを生成する手法について説明する。特にリアル環境から出力されるデータとして,同期のとれる複数台のビデオカメラから得られる実空間中の人物映像を考え、これらからボクセルデータを生成する手法について解説を行う。 ボリュームデータ表示手法(1回) コミュニケーション支援の観点で有効とされているメガネなし立体表示装置について解説を行う。 特異点可視化手法(2回) 特異点グラフを使って可視化を効率よく行う方法や膨大な数のボリュームデータを効率よく検索する手法に関して説明を行う。 可視化システム開発(5回) UMLを用いたオブジェクト指向システム開発方法論について説明を行う。UMLを使った等値面表示システムについて例を示し、OpenGLを使ったシステム開発実習を行う。 第1回「ガイダンス:ボリュームコミュニケーション技術による協調可視化環境の実現」 ボリュームコミュニケーションについて説明し本講義への学びの動機付けを与える 第2回「可視化技術基礎:スカラデータ可視化技術」 スカラデータ向け可視化技術として等値面生成アルゴリズムについて説明する 第3回「可視化技術基礎:ボリュームレンダリング技術」 ボリュームレンダリング技術の基礎となる散乱方程式を説明し、その数値解法を理解させる 第4回「可視化技術基礎:ベクタ・テンソルデータ可視化技術」 テンソルデータからベクタデータの変換について説明し、ベクタデータに対する代表的な可視化手法である流線表示手法について理解させる 第5回「ボリューム処理技術:生成技術(多視点映像処理,ボクセル生成)」 人物映像データからボリュームデータを生成することを目的として,多視点カメラとPCクラスタを利用した3次元形状復元技術を説明する 第6回「ボリューム処理技術:表示技術(多視点表示,全方位表示)」 グループ対グループのコミュニケーションを支援するために開発した多視点映像実時間表示システムについて説明する 第7回「特異点ベース可視化技術:渦可視化」 ベクタデータにおいて特異点を探索し、分類する手法について説明する 第8回「特異点ベース可視化技術:等値面表示高速化、DT-MRI可視化」 特異点グラフを用いて等値面表示を高速化する手法に説明する 第9回「システム開発技術:オブジェクト指向システム開発技術」 UMLを使ったオブジェクト指向システム開発技術について簡単な販売管理業務を例にとり説明を行う 第10回「システム開発技術:OpenGL基礎」 可視化システムにおける基本オブジェクトについて説明する。また実装レベルで利用するグラフィックスライブラリであるOpenGLについて解説を行う 第11回「可視化システム実装演習:等値面表示システム 」 UMLを使って等値面表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う 第12回「可視化システム実装演習:ボリュームレンダリング表示システム」 UMLを使ってボリュームレンダリング表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う 第13回「可視化システム実装演習:流線表示システム」 UMLを使って流線表示システムを設計し、C言語を用いた実装を行う 遠隔講義システムを利用した講義主体の授業で、システム開発実習は各自の研究室におけるPC・ワークステーションを使って実施される。博士課程学生により研究成果の説明、また修士課程学生により開発実習補助が行われる。 |
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教科書・参考書等 |
タグ
#可視化処理