西洋経済史A

授業の特色

なぜ、いつ、どのようにして資本主義的生産システムが成立したか?大塚久雄の見解と堀江英一の見解を対比・総合しつつ、近年の研究動向を適宜くみあわせつつ、解説します。 両者を検討する際には「先人の足跡を虚心坦懐に学ぶ」という姿勢をとりました。

授業の紹介

本講義は、日本における西洋経済史学がとりくんできた中心テーマ「なぜ、いつ、どのようにして資本主義的生産システムが成立したか?」を、5W1Hを明確にしつつ、緒論者の見解を整理しながら検討します。

講義詳細

年度
2004年度
開講部局名
経済学部
教員/講師名
坂出 健(経済学研究科 准教授)
備考
課題 「イギリス産業革命の開始期と集結期を示す具体的指標をあげて、それぞれその根拠を述べよ」   「マニュファクチュアの歴史的意義について、問屋制度との対比において論ぜよ」   「なぜ18世紀後半には綿工業が毛織物工業を急速に追い抜いたのか?」   「ジェントルマン階層」を定義し、彼らがイギリス革命に果たした役割を論ぜよ」   「19世紀末からのイギリス産業衰退の原因を論ぜよ」   「イギリス資本主義化におけるマーチャント・バンカーの役割を論ぜよ」

シラバス

開講年度・開講期 2004 配当学年 経済学部・法学部 3・4回生
教員
坂出 健(経済学研究科 准教授)
授業の概要・目的
第1回-課題設定。第2回以降は、事前に配布した講義概要とテキスト対応表に沿って、毎回の講義に対応する教科書①②の該当部分を事前に受講者に予習してもらう。各回の講義では、各テーマについての教科書①②の見解の共通点・相違点を指摘した上で、近年の研究動向から両者の理解を検討する。
授業計画と内容
#1 “population”=「人口」か?
#2 農業革命 領主−農奴関係から、農業革命を経て、どのように三分制に基づく資本主義的農業に変貌したか?
#3 産業革命 なぜイギリスが「最初の工業国家」になったか?
#4 毛織物工業とマニュファクチュア 資本主義の起点都市か農村か?
#5 ジェントルマン資本主義論 「ジェントルマン」とは誰か?
#6 綿工業と機械制大工業 イギリス産業はなぜ衰退したか?
#7 製鉄業と「産業衰退」
#8 マーチャント・バンカーの台頭では、イギリス製造業の衰退を招いた「事業環境」はどのような構造を有していたのか?
#9 穀物法と自由貿易体制
#10 救貧法と労働者階級
#11 ボーア戦争と大英帝国
#12 講義のまとめ
#13 (特別講義)「司馬史観」を考える。

担当教員が講義開始時に各回のレジュメを配布し、そのレジュメに沿って内容を解説します。解説に際しては、図表資料の紹介をし、板書を併用します。各回の講義後、質問を受け付けます。
教科書・参考書等
[新入生向け経済史文献リスト]

イギリス経済史用語集

堀江英一『経済史入門(第3版)』有斐閣双書、1979年

大塚久雄『欧州経済史』岩波現代文庫、2001年

松田智雄編『西洋経済史』青林書院新社、1982年

藤瀬浩司『新訂欧米経済史』放送大学教育出版協会、1999年
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