欧米経済史

01 坂出 健(経済学研究科 准教授)

授業の特色

本講義は、第二次大戦後から1970年代にかけての欧州統合の史的展開をアメリカの欧州統合戦略の視点から時代毎の画期に分けて検討し、米欧相互依存関係の基本的構図を解説します。

 

授業の紹介

本講義の目的は、第二次大戦後から1970年代にかけての西ヨーロッパの経済復興・統合をパクス・アメリカーナの展開過程として把握することにある。パクス・ブリタニカ(19世紀までのイギリス主導の国際秩序)からパクス・アメリカーナ(第二次大戦後のアメリカ主導の国際秩序)への転換過程においては、イギリス帝国の解体問題ドイツ問題が大きな問題であった。第二次大戦後の西欧統合のプロセスを通じて、アメリカがこの2つの問題をどのように解決し、1970年代までに米欧日相互依存システムを構築したか検討する。

講義詳細

年度・期
2009年度・前期
開講部局名
経済学部
使用言語
日本語
教員/講師名
坂出 健(経済学研究科 准教授)

シラバス

開講年度・開講期 2006・前期 配当学年 経済学部・法学部 2・3・4回生
授業の概要・目的
本講義は、マーシャルプラン・欧州石炭鉄鋼共同体(シューマンプラン)・欧州決済同盟、欧州原子力共同体(ユーラトム)・ローマ条約などの欧州統合史の重要トピックを、アメリカの歴代政権(トールマン民主党政権・アイゼンハワー共和党政権・ケネディ=ジョンソン民主党政権・ニクソン共和党政権)の欧州統合政策の特質との関係で考察し、欧州サイドにおける欧州統合路線と大西洋路線の相克の経済的背景に着目します。
授業計画と内容
#1 イントロダクション「911以降の米欧関係をどうみるか?」
#2 課題設定−アメリカの戦後欧州統合戦略
#3 米国の欧州統合推進の諸動機
#4 バーナンキFRB議長の大恐慌研究(特別講義)
#5 第一の転換点(1949年)
#6 第1期アイゼンハワー政権
#7 第1期アイゼンハワー政権(承前)・第2期アイゲンハワー政権
#8 第2期アイゲンハワー政権(承前)
#9 第二の転換−ケネディ政権とNSAM40
#10 1960年代
#11 第三の転換−1970年代
#12 講義のまとめ

講義は、テキスト(ゲア・ルンデスタッド著・河田潤一訳『ヨーロッパの統合とアメリカの戦略』NTT出版、2005年)に沿って、進行します。受講者は第1回の講義で配布するスケジュールに従って、講義回数に対応するテキスト該当各章を予習した上で、講義に臨むようにして下さい。講義は、PCプレゼンテーション(keynote)を使用しつつ、板書も一部使います。出席・レポートはありません。
教科書・参考書等
[教科書]

・Geir Lundestad, “Empire” by Integration, Oxford University Press, 1998
・ゲア・ルンデスタッド著、 河田潤一訳『ヨーロッパの統合とアメリカの戦略』 NTT 出版 2005年

[参考文献]

・渡邊啓貴編『ヨーロッパ国際関係史』有斐閣アルマ,2002年
・松田武編著『現代アメリカの外交』ミネルヴァ書房,2005年
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