Advanced Studies; Anthropological Study of Education II
JA | EN
Numbering Code |
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Term | 2020/Intensive, Second semester |
Course Type | special lecture |
Target Year | Master's students |
Target Student | Graduate |
Language | Japanese |
Day/Period | Intensive |
Instructor(s) |
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Outline and Purpose of the Course | 臨床教育人間学の本集中講義では、古代のレトリック、ルネサンスの人文主義(ヒューマニズム)、そして近・現代の解釈学へとつながる、レトリック・ヒューマニズムの伝統に焦点を当てて、プラトニズムと並ぶ西洋の教育(教養)思想の源流の理解を目指す。 この伝統の端緒であるレトリックは、古代ギリシャにおいてソフィストたちによって重視され、アリストテレスやキケロによって理論的に確立された。それは、人を「説得する」こと、あるいは「動かす」ことを主眼とした総合的な学問であった。古代のレトリックは、ルネサンスにおいて再発見され、言語学習を中核に据えた人文主義教育を新たに生み出した。ガダマーらによる解釈学は、レトリックと人文主義の伝統がいまだに大きな意味を持っていることを示している。 この講義は三つの部分から成り立つ。第一に、プラトンの『プロタゴラス』とキケロの『弁論家について』をもとに、古代のレトリックの姿を浮き彫りにし、それが有する人間形成的な意味を理解する。第二に、ルネサンス人文主義の教育思想をピエール・パオロ・ヴェルジェリオやレオナルド・ブルーニの著作をもとに読み解く。また、解釈学についても触れる。第三に、東アジアにおける儒教の伝統を取り上げ、西洋のレトリック・ヒューマニズムと比較することで、東西のヒューマニズムの比較を試みる。 |
Course Goals | レトリックと人文主義の人間観と教育観を理解することによって、言語学習を教育の中核に置く西洋の教養論を歴史的に理解する。同時にこのことをこのことを通じて、翻訳や解釈が持つ人間形成的な意味についての理解も深める。さらに、考察を東アジアにまで広げることで、言語・翻訳・解釈といった問題をより多角的な視点から見ることを学ぶ。 |
Schedule and Contents | この集中講義は以下のような流れで進めていく。 1.Introduction:授業の進め方の説明 2.ソフィストの時代 3.ソフィスト思想におけるレトリックの位置づけ 4.プラトンのレトリック批判 5.アリストテレスのレトリック論 6.キケロの『弁論家について』における理想の弁論家像 7.キケロの弁論術の諸相1:発想・配置・修辞 8.キケロの弁論術の諸相2:記憶と発表 9.ルネサンス・ヒューマニズムとは何か 10.ヒューマニズムの教育論(ヴェルジェリオとブルーニ) 11.ヒューマニズムから解釈学へ:ガダマー 12.『論語』における「人文主義的教育」 13.荻生徂徠と本居宣長における「人文主義的教育」 14.儒教における礼が持つ人間形成的意味 15.総括 受講生はあらかじめ指定されたテクストを読み、ポイントを押さえた上で自分自身の意見をまとめて授業に参加することが求められる。 |
Grading Policy | 【評価方法】 平常点(出席、授業中の発言、討議への貢献度など)とレポートにより、総合的に評価する。(平常点 60% レポート 40% ) 【評価方針】 到達目標について、教育学研究科の成績評価の方針に従って評価する。 |
Prerequisites | None |
Preparation and Review | 授業開始前に、以下を読んでください。 プラトン『プロタゴラス』、岩波文庫 キケロ『弁論家について』、岩波文庫、(上)第1巻 今井康雄(編)『教育思想史』、有斐閣アルマ、第1・第4講 |
Textbook |
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Reference(s) |
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