1831006Buddhist Studies (Special Lectures)
JA | EN
Numbering Code |
|
Term | 2020/Second semester |
Number of Credits | 2 credits |
Course Type | special lecture |
Target Student | Graduate |
Language | Japanese |
Day/Period | Thu.5 |
Instructor(s) |
|
Outline and Purpose of the Course | 前期授業で扱ったテキスト箇所の解読内容との吟味を行いつつ、継続して、当該テキストを精読する。併せて、ブッダは瞑想実践中に一切世界の有情/衆生を個々に見定めたとき、悲しみ(カルナー)の極みに至り、あらゆる生き物が苦しみから脱(のが)れてあれかしとの思願を発する。後に、「大悲」(マハーカルナー)という用語で語り継がれて、大乗仏教徒たちの理想像である「菩薩」の思願と重ね合わされるようになる。この「大悲」について、大乗の初期経典やアビダルマの諸論書、並びに、瑜伽行派と中観派の諸論書における捉え方を比較しながら、思索を深めて行く。 なお、学位論文の作成を目指している受講者の希望に応じて、その研究対象テキストを精読することも考える。 |
Course Goals | サンクリット原典テキスト、並びに、チベット訳・漢訳の翻訳テキストに対する文献学的分析手法を習得すること。 |
Schedule and Contents | 基本的に下記の項目内容に沿った形で、まず、ブッダ瞑想中の悲しみの思願、そして、「大悲」についての経典伝承と論書での捉え方の概要を講義し、次いで、テキストの精読へと進む。 1.「大悲」について (1) パーリ・ニカーヤに伝わる「悲しみ」の思願と、アビダルマの教義解釈 (2) 大乗の初期経典における「大悲」の捉え方 (3) 大乗の諸論書における「大悲」の捉え方 2. 以下、第4回から第15回は、『サンガベーダヴァストゥ』のギルギット写本を、前期講読箇所に引き続き、チベット訳・漢訳の仏伝と比較吟味しながら精読して行く。 ただし、受講生諸君の希望により、論文遂行に当たっての作業中テキストの提示がある場合、当該テキストを精読することとする。 |
Grading Policy | 平常点。 各授業での講読担当者を予め定めて発表してもらいます。 テキスト解読に対する緻密・正確度をもって評価します。 |
Prerequisites | サンスクリット語、パーリ語、古典チベット語を履修済みであること。 |
Preparation and Review | 授業では講読担当者を予め定めて発表してもらいますが、担当者以外も自らサンスクリット・原典テキスト、並びに、比較吟味すべきチベット訳や漢訳も併せて読み比べ、予習した上で、授業に臨むこと。 |
Textbook |
|